第74話「マリアの様子がおかしい2」


大学の食堂。そこで、俺は友達の裕太に昨日の出来事を話してみた。


昨日の出来事というのは、マリアが不機嫌になった話だ。



「ミアちゃん、お悩みの時期かな?」



コーヒーをすする裕太は、女の子の話となると食いつき方があからさまに違う。


んで、今回もしっかり食いついてくれたので、続きを話す。



「どうだろ。あの子、細かいことは気にしないような性格に見えるけど」


「それはどうかな? どんなにがさつな女の子でも、実は繊細なのものなのさ」


「じゃあ悠太は、原因がわかるって言うのか?」


「いや分からん」


「何なんだよ」


「あんたらはバカなの?」(姫乃)



そこへ、うどんを持って歩く、悠太のお友達の姫乃さんがやってくる。



「隣、いいかしら?」


「あ、どうぞ」



裕太を避けるように、俺の方へ座る。



「ひどいなぁ」


「彼女持ちの方が信頼できる」



らしいです。



「それで、俺たちのどこが馬鹿なの?」



裕太が、さきほど姫乃の言った言葉について言及する。



「いや、何となく言ってみただけ。何の話をしてたの?」



定番(?)の輪の入り方というやつですかね。


というわけで、悠太がさっきまでの話を要約して話してくれた。



「はぁ・・・。なるほどね」


「お? 何かわかってそうな口だね」(裕太)


「そうなんですか? お願いします。教えてください」(愛斗)


「いや・・・ちょっと、ね?」



何を勿体ぶってるのか、姫乃は顔を若干ながら赤らめ、なかなか話してくれない。



「お願いします。マリアが機嫌悪くしている原因を知りたいんです」


「彼女想いなんですね。マリアちゃんは恵まれて羨ましい」



そう言って、死んだ魚の目で裕太の方を見る。



「お? なんでこっちを見るのかな?」


「なんでも」



結局、姫乃は俺たちに、マリアが機嫌の悪い原因を話してくれなかった。


もしかしたら、最初から知らないだけなのかもしれない。


姫乃自身も「確信できないから」と連呼していた。


だけど、今度マリアと二人で話がしたいと言ってきた。


そんなに人に言えないことなのだろうか。


ますます謎は深まるばかりだ。


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