第73話「マリアの様子がおかしい」


一月も中旬になり、俺は大学がスタート。とはいえ、いつも通り楽しく生活していた。


そんなある日・・・。



「ん? どうした?」



夕食でマリアの口数が少ないことに気づき、どうしたのか聞いてみる。



「バスィディース?」



強い口調で、いかにも機嫌が悪そうに言う。



「あいや、何でもない」


「は?」


「え・・・?」


「ナインダンケン」



そう言って、風呂兼トイレの空間に行ってしまった。


どうしたんだ?


マリアはたまに、機嫌が悪くなることがある。


多少前後することもあるけど、おおむね月の最後らへんが多い印象だ。


んで、月の最後に決まって機嫌が悪くなるって、一体何なんだ?


この期間は決まってドイツ語を連呼するので、俺も言葉の意味が分からなくて困り果てている。



「おーい、マリアさーん」



ドアをノックするが、応答はない。


仕方がないので、ベッドに寝っ転がりながら、スマホをいじり待っていると・・・。



「Es tut uns leid」(独語和訳:ごめんなさい)



籠城をやめ、ドイツ語で謝りながら出てきました。


髪はボサボサで、目には、今にも零れそうなほどの涙があった。


前々からイライラしてるようなことはあったが、ここまで機嫌が悪かったのは初めてだ。



「何かあったのか?」


「Can't say」(和訳:言えないよ)


「言えないのか?」


「Yep」(和訳:うん)


「まぁ無理に言う必要はないけど、あまり一人で悩まないでね」


「ありがと」



とりあえず、その日はいつも通り、眠りにつきました。


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