第67話「聖なる夜、そんな日にすることは?」


夜になりました。


今日は12月24日。クリスマスイブです。


とはいえ、本場ヨーロッパの人々ですら大して気にしてないけど、クリスマスイブは24日の日没かららしい。まぁどうでもいいね。


日本では恋人がイチャイチャする日で、非リアのみんなはSNSなどでそれを愚痴ってる時間帯だが、俺は女の子二人に囲まれている勝ち組だ。すまねぇな。


まぁうち一人は、言葉すら通じないイタリア人。うち一人は、そのイタリア人に合わせてイタリア語で話すドイツ人なんですけどね。状況が特殊過ぎる。



「Sono libero」(ソフィア)


「Giochi?」(マリア)


「bene」



うん。何度聞いても意味を理解できません。


そう思っていると、二人がこちらに目線を向ける。



「なんだ?」



何か用事があるのかと思い、そう尋ねるも、二人とも黙り込んだまま。


んで、なぜか頬が赤い。さっき飲んだホット・・・じゃなくて、グリューワインのせいか? あれから追加で何杯も飲んでたし、何ならそのままの白ワインも飲んでいたし、酔っている説は十分にあり得るが・・・。



「あ、あの・・・?」



なぜか黙ったままこちらに接近する。え、待って、何か喋って!?


そんな願いも届かぬまま、目の前で二人は座り込む。



「なんですか?」



もう一度聞いてみる。



「Giochiamo!」



じゅ、じゅきゃーも?


ソフィアが言うので100%イタリア語なんだろうけど、俺には伝わらない。


マリアさん、この人はなんて言ってるんですか?



「んにゃ・・・あいと~」



いかにも酔ったような声で、俺の腹に顔をうずめ抱きつかれる。



「はい・・・?」


「ねぇあいとー」


「あ、はい」


「私たちと、やらない?」


「・・・はい?」



うーん、聞き間違いだろうか。



「だーかーらー、今なら三人で出来るからさ」


「さ、三人で、できる・・・」


「うん。三人プレイ、できるでしょ?」


「えっと・・・」


「やらないの? せっかくソフィアもいるのに」


「いやでも・・・ソフィアは今日来たばっかで・・・」


「それが、なんか問題あるの~?」


「いや・・・」


「愛斗がやらないなら、私たち二人でやるわ」


「マリアとソフィアが二人で!?」



あ、それはちょっと見てみたいかも・・・じゃなくて!



「わかった。やるよ。マリアが言うなら!」


「やったー! じゃ、コントローラーもって」



はい、今までえっちなことを想像した人、正直に挙手。俺も想像しました。めちゃくちゃ想像しました。


だけどね、マリアとソフィアがやりたかったのは、ゲームらしいです。


50ccでドリフトをやってのける、猛者ドライバーどもを操作する、某赤い帽子おじさんのレースゲーム。あれが遊びたいらしいです。


まぁ断る理由もないので、夜遅くまで遊びまくりました。


いやぁ、健全な夜になって一安心だ。


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