第66話「和製英語はネイティブに伝わるのか?」
家に帰ると、マリアが早速スーパーで言っていたグリューワインを作るらしい。
マリアが台所に立つ姿は初めて見るけど、やっぱ女の子が台所に立つのは良いものだな。
「んで、グリューワイン? ってなんだ?」
独り言のように、居間の机に向かって呟いたつもりだったが・・・。
「Non lo sai?」(和訳:知らないの?)
「あー・・・うん?」
ソフィアが反応してくれました。
とはいえイタリア語はわからない。
ということで、台所へ避難しました。
いやね、言葉の通じない人と二人で会話なんて無理な話なんよ。
んで、マリアはそのグリューワインとやらを作り出してました。
小鍋に赤ワインをたっぷり入れて、はちみつ、シナモン、スライスした生姜、あとなんかよく分からん調味料を複数入れて火をつける。
沸騰する直前になったら、スライスしたオレンジ、レモンを入れて、かき混ぜる。
良い匂いがしてきたら、火を止めて・・・。
「finish」(和訳:終わった)
出来上がったみたいです。
火を通したから俺も飲めるかな? って思ったけど、これ普通にホットワインですよね? まぁワインってアルコール度数
高いって聞くし、飲んで犯罪になるのも嫌なので、今回は遠慮しておきましょう。
「Squisito」(和訳:おいしい)
「Köstlich」(和訳:おいしい)
二人とも、頬を赤くして、美味しそうに飲みますね。イタリア語とドイツ語は分からないけど。
「それで、結局それがグリューワインなのか?」
「そうだよ」
「ホットワインじゃないのか?」
「I hear it for the first time」(和訳:それは初めて聞くな)
あれ・・・? ホットワインと言えば、ヨーロッパの定番の飲み物だと思うけど。
そう思って調べてみたら、なんと驚き。ホットワインは和製英語らしいです。
イギリスではモルドワイン、ドイツやオーストリア付近ではグリューワインと呼ばれてるらしい。
まぁでも、ホットワインでも、フレーズ的に伝わりそうな感じはするけどな。特にイギリスとかの英語圏。
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