第63話「明日暇? 1万キロ先からの訪問者」
「クリスマスか?」
「Yep」(和訳:うん)
明日はクリスマス! そんな日に、いきなりマリアから言われました。
明日、友達が来ると。
いやいや、急すぎない?
「というか、マリアも日本で友達が出来たんだな」
「・・・?」
「え・・・?」
「I have no friends in Japan」(和訳:日本に友達はいないよ)
「え・・・もしかして」
「I think I'll come to Japan tomorrow morning」(和訳:明日の朝に日本に来るみたい)
やはり、海外からですか。
マリアの友達。つまり、ドイツ人だろうか。
どうか、英語が通じて、英語で話す人でありますように。
そう祈りながら、次の日、俺は家でその友達を待つ。
十数分もすると、駅まで迎えに行ったマリアが帰ってきて、それと一緒にやって来た陽気そうな茶毛の女の子。
「piacere di conoscerti」
そう言う茶毛の少女。見た目はマリアと変わらない成人女性と言った感じだ。
身長はマリアはよりも高いし、俺よりも高い。まぁ欧州諸国はほとんどそうだが、日本人と比べれば高身長な人が多い。
それと、何か嫌な感覚がある。そう、嫌な予感が的中してしまったような、そんな感じ・・・。
彼女の見た目。それに、今話した言語。
明らかに英語ではないが、ドイツ語でもない。
そう、この母音が多くて、日本人が聞き取りやすい、ヨーロッパの言語・・・。
「イタリア人!?」
「Risposta corretta!」
言葉の意味は分からないけど、ジェスチャーでグットのポーズをしたので、多分合っているのでしょう。
「というか、英語で話してほしいです。あ、マイネームイズアイト」
「Mi chiamo Sofia」
えっと、ミチアモ、ソフィア?
「ソフィア?」
「Sì」
ソフィアさんらしいです。
というか、ちょっと不思議なものだ。
ドイツ語は聞いていても全く分からないのに、なぜかイタリア語だけは何となくで通じてしまう。
どちらの言語も教養はゼロなのに、不思議なものだ。
まぁでも、もっと良いのは・・・。
「英語で話せないの?」
「・・・?」
マリアと似たような反応されました。
「マリア、通訳してくれ」
というか、マリアはイタリア語話せるのか?
「Vuole che tu parli in inglese」
めちゃくちゃ話せるじゃないですか。
マリアがイタリア語を話せるとは、意外な発見だ。
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