第62話「今日はかぼちゃ」


風呂上がりの女の子は、それはそれは破壊力がすさまじくて、その攻撃力は数億にも及ぶだろう。


火照らした頬に、濡れた髪は、男として見惚れる魔法のような魅力がある。


まぁそれはどうでもよくてですね。



「どうだったか?」


「ゆず、いい匂いだった」


「そうか。んじゃ、俺も入ってくる」


「私の残り湯、感想聞かせてね」


「ゆず風呂の感想なら言ってやろう」



というか、毎日同じ風呂に入っているわけだから・・・いや、何でもない。


風呂から上がり、お次は晩飯です。


今日は冬至なので、かぼちゃを食べるのが鉄板というやつだろう。


調べたところ、とりまかぼちゃを食べよう! というノリらしいので、どんな料理が良いとかの指定はない模様。


とりあえず、俺の好きなかぼちゃの煮物をあらかじめ作っておいたので、それを食べることにします。


さて、マリアの口には合うのでしょうか。



「カステリッヒ」



うん、何言ってるのか分からないけど、多分口に合ったんだと思います。


んで、ちょくちょく聞く、カステリッヒということば、さすがに意味が気になってくるのだが・・・。



「意味を教えてほしい」


「・・・?」



毎回こうなります。


マリアさん、意地でもドイツ語だけは意味を教えてくれません。


悔しいので調べてみます。


グ〇グル先生の翻訳で、ドイツ語に照準を合わせる。


んで、それらしい単語を日本語で入力する。


まずは、美味しい。


ドイツ語で美味しいは、「köstlich」と言うらしい。


カタカナで書けば、カステリッヒですね。


はい、まさかの一発目で意味がわかりました。



「美味しいって意味ですね」


「ぐぬぬ・・・」



意味が知られてよほど悔しいのか、それとも恥ずかしいのか。


マリアさん、顔がすごく紅潮しています。



「悔しいの? それとも恥ずかしいの?」



どうせなので、たまには煽ってみることにします。



「どっちもよ。だから、あとで絶対抱きついてやる」


「チョットソレハヨクワカラナイナ」



食べ終わったら抱きつかれました。どうしてそういう思考になった・・・。


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