第60話「師走になりました」


季節は冬である。


あと一ヶ月もしないうちに今年も終わると考えると、毎年あっという間に感じるのだが、今年ばっかりは色んな事がありすぎて、でもそれが楽しくて、例年以上に早く感じた。


んで、そんな時にふと思った。



「そういや、マリアはクリスマスどうするんだ?」



マリアはドイツ人だ。


我々日本人がお正月に帰省するのと同じように、ヨーロッパ・・・というよりかは、キリスト教の人々は、クリスマスに帰省する人が多い・・・らしい。


マリアはどうするのだろうか。



「What about Aito?」(和訳:愛斗はどうするの?)


「家にいる」



きっぱりそう言う。最初からクリスマスに予定なんてないからな。


それに、日本人はクリスマスよりお正月だ。


クリスマスは恋人とwayするのが若い人々の慣習だ。


あーでも、俺とマリアも恋人同士なんだっけ。まぁあれだ、うちは例外だ。



「Then I'm here too」(和訳:なら、私もここにいる)


「帰らないのか?」


「Rather, I want to be with Aito」(和訳:それより、愛斗と一緒にいたい)


「そうか・・・」



そう言われると嬉しいのだが、そんなことで帰らなくていいのか? と、少し思ってしまう。



「んでも、クリスマスか。ケーキでも買うかな」



何がともあれ、せっかくマリアと過ごすクリスマスだからね。ちょっとはそれっぽいことをしようかなぁと。



「いぇーい」



テンション高いな。まるで子供みたいだ。



「ケーキ好きなのか?」


「チーズとワインが飲みたいです」



ケーキよりお酒みたいです。


そういや、マリアは二十歳だもんな。お酒は飲めるわけだ。


まぁドイツは飲もうと思えば十四歳から合法という恐ろしい国だけど。


それはともかくとして・・・。



「How about Aito with you?」(和訳:愛斗も一緒にどうですか?)


「俺は未成年」


「ミセイネン」


「そう、ミセイネン」


「なんかエロいね」



いや待って、どういうことですか!?


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