Kapitel Ⅳ(第四章)

第59話「魅惑の暖房器具」


前々から思っていたことだが、最近、マリアとの距離感が掴めないでいる。


具体的に言えば、妙にスキンシップが激しいところだ。


前々からスキンシップをしたがっているのは感じていたが、先日から、正式(?)に付き合い始めてからは、特にひどい。



「なぁマリア、そんなにくっつかなくても・・・」


「I like it because it's warm」(和訳:暖かいから好き)



そういえば、最近は冷え込んできたよな。



「あれ、出してみるか」



ということで、取り出したのが、人をダメにする暖房器具、こたつである。


ちなみにだが、我が家の机がゆか座式のテーブルなのは、冬にこたつに変貌するからだ。


まぁそんなことはどうでもよくてな。



「どうだ?」


「ワーム」


「そうか」



そう言うが、意味は理解していない。


英語のwarmに似ているので、それに似た類の言葉だろう。うんそうだ、そういうことにしておこう。


そして夕方。そろそろ洗濯物とかを部屋に取り込まないといけないのに・・・。



「出たくねぇ・・・」



こたつ、予想以上に魅惑の一品です。


そういや、マリアがさっきから静かだな、と思ったら、こたつで寝ていました。


こたつで寝ると風邪をひくというのはよく言われることで、実際、俺もこたつが原因かはわからんが、風邪をひいた経験がある。


仕方がないので、マリアのこたつから飛び出てる上半身に薄いモーフをかけ、こたつから出たついでに洗濯物も取り込みました。


んで、ついでのまたついでに夕食も作りました。


こたつから出てしまえば、こちらの勝利ですね。


それからしばらくして・・・。



「ん・・・? グーデンモルゲン」


「おはよ、こたつで寝ると風邪ひくぞ」


「is that so」(和訳:そうなんだ)



ボーっとした状態で、おどおど言葉を口にする。


完全に寝起きですね。ちょっと可愛いかもしれない。



「おやすみ」



十秒間ボーっとしたのち、再び寝っ転がろうとするので、冷水でもかけてやうかと思いました。もちろんかけませんけど。



「さすがに寝すぎだ。夜に寝れなくなるぞ」


「ワタシハーコノママーコタツノナカデーイキーーール」


「んなら、俺は今日からベッドで一人で寝れるわけだ」


「冗談です」


「あ、はい」



一人で寝たいのは割と本音なのだが・・・まぁいいか。


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