第50話「良いか悪いかはさておき、こういうの、男なら憧れるよね」
姉貴が我が家に居候することになった。
まぁそれは別に構わないのだが、我が家には、マリアという居候が既におり、ただでさえ狭いワンルームがさらに狭くなって色々と問題も発生する。
その中でも最大の問題と言うのが。
「お前ら、ほんとにどこで寝るつもりなんだ? 特に姉貴!」
「え、私? そうね、私はどっちかと一緒に寝ることになるのかしら」
そりゃ恐ろしい。
とはいえ、もう夜も遅いし、今更帰れ! なんて言うわけにもいかないよなぁ・・・。
「んなら、マリアと一緒にベッドで寝てください」
「turn down」(和訳:断る)
マリアさん。しばらくは勘弁してくださいよ。
どんな反応をされるのかは知らないが、姉貴には俺とマリアが一緒に寝ているなんて死んでも知られたくはない。
「アイウィルオウベェイ エニワンコメェーンドゥ」(I will obey any one command/一つだけ、何でも言うこと聞く)
「I heard before」(和訳:さっき聞いた)
「プリーズ」(please/頼む)
「Really anything is fine isn't it?」(和訳:本当に、何でもいいのね?)
「イエス」(yes/はい)
「Understood」(和訳:わかった)
なんか聞き分けが良すぎる気もするが、とりあえずマリアに納得してもらったところで・・・。
「じゃ、俺は床で寝るから、二人はベッドで寝てな」
ま、姉貴が帰るまでは、そういうスタイルで行こう。
いやまぁ、床でも案外寝れることがわかれば、姉貴が帰ったあとも床で寝るかもだけど。
ここは検証ですね。
とりあえず、数少ない収納スペースの中にある、座布団(まくら代わり)とシーツ(敷布団代わり)を取り出す。
「ねぇ愛斗、まさかそれで寝てるんじゃないでしょうね?」
「え? そうだけど」
「はぁ・・・そんなんで、よく疲れが取れるわね」
それに関しては、試していないのでわかりません。
まぁ懸念点ではあるよね。俺の予想、疲れが取れるどころか、むしろ増えそうな感じ。
「姉として、そんな環境で弟を寝かせるわけにもいかないわね」
「んでも、どうするんだよ。これしかないぞ?」
「うーん・・・三人で寝る?」
「同じベッドにか?」
「そうよ。マリアちゃんもいいよね?」
「welcome」(和訳:歓迎)
さすがに、一人用のベッドに大人三人はどうなんだ?
狭いとかそういう問題以前に、入りきるのかという問題。
そうは思ったが、深く考えさせる前に、姉貴とマリアによって強引にベッドに引きずり込まれました。
しかも、なぜか俺が真ん中。
身動きが取れないほど狭いです。
いつも一緒に寝てるから、距離が近かったマリアの顔が、今日はいつも以上に近いです。
すごい・・・理性が・・・。
あ、姉貴に関しては何とも思いません。まぁ血のつながった姉弟ですからね。
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