言葉の通じない恋人

第38話「二人の旅行その４」

マリアと行く、草津温泉旅行。

宿の部屋に荷物を置き、身軽になったところで観光スタート。

まず最初に行ったのが、まぁ草津温泉なら定番でしょ・・・というか、俺は定番しか知らないので、定番のところに行くだけだけど・・・。

ということで、“湯もみ”を見学しました。

草津節ってやつを歌いながら、お湯を長い板を使ってもみ、温度を下げるあれですよ。

んで、そのあと、俺が個人的に行きたいところがあるのだが、ここでマリアと相談。

「えっと、マリアってキリスト教だよな？」

「so what?」（和訳：それがどうしたの？）

「あいや、俺が行きたいところ、宗教施設だから」

「Is that so?」（和訳：そうなの？）

「あぁ・・・マリアがためらうなら、今回は行かないことにするけど」

日本人は宗教の価値観が曖昧な場合が多いけど、これは結構特殊な例だ。

クリスマスを楽しみ、大みそかにお寺に行って、正月に神社に行く。そんなの日本ぐらいだ（多分）。

まぁだからと言うわけではないけど、一応気を遣っておく。こんなことで、楽しい旅行を台無しにはしたくないからね。

「どうする？」

そんな問いかけに、マリアは迷うことなく。

「私、今だけキリスト教やめるわ」

おい、それでいいのか！？

かなりヤバめの発言をしたと思うが・・・まぁいいか。

ということで、湯畑からもほど近い、白根神社に来ました。

この神社は、日本武尊を祀っているらしい。まぁ詳しいことは知らないけど、近くに白根山があるから、そこの信仰に使われたのだろう。

んで、そのあとは基本的に食べ歩きだ。

まぁ温泉街って、友達とか家族とかで歩き回って、美味しいものを食べる。それが一番楽しいと思う。

俺も、マリアと一緒に歩き回って、疲れたけど楽しいと思えた。

印象に残ったのは、とある宿前に猫がいたとこかな。看板猫だろうけど、マリアがすごい喰いついてたのが印象的だった。猫好きなのかな？

まぁそんなこんなで、宿に戻ってきました。

「疲れた・・・」

「Yeah」（和訳：そうね）

「んじゃ、せっかくだから、温泉に入ってみるか」

「oh」（和訳：おー！）