第39話「二人の旅行その5」


濡れた髪、火照る頬、心なしか綺麗になった肌に、浴衣を通して俺の前に現れる彼女。


今夜は、この人と同じ部屋で寝ることになるんだよな・・・。


俺の理性が試されそうだ。


まぁその前に・・・。



「お風呂上りと言えば、やっぱ牛乳でしょ?」


「Isn't it beer?」(和訳:ビールじゃないの?)



その発想はなかった。


とはいえ、俺は未成年なので。


マリアはギリちょん二十歳だったはずなので、一応飲める。



「ご自由に」


「Do as you like」(和訳:好きにするわ)



んで、本当に缶ビール飲みましたよ、この人。


そこまで心配はしてないけど、酔わないでくれよ。


そうは思ったんだけど、この子、そのあとの食事でもお酒飲みまくってました。


ちなみに食事に関しては、とりあえずすげぇーとしか言葉が出ないレベルで豪華に感じました。


まぁ、食事が美味しいのは満足なんだけど・・・。



「そんなに飲んで大丈夫なのか?」



マリアさん、さっきからえげつない勢いでビールを飲んでいる。



「no problem」(和訳:問題ない)


「いやいや、酔われると困るのは俺なんだけど」


「I'm not drunk」(和訳:酔ってなんかないよ)



まぁ、マリアが英語を使ってあるあたり、酔ってはないんだろうな。知らんけど。


マリアが酔うとどんな感じなのか知らないけど、俺の予想、まず英語を話さなくなるだろう。


だから、この子がドイツ語を話しだしたらヤバいということで。


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