第26話「休日とドイツ語の難しさ」


マリアと喧嘩してから、一晩が経った。


もちろん、マリアを責めるようなことはしない。なんで家を飛び出したのか、理由も聞かなかった。


代わりと言うわけではないが、しっかりと謝罪はした。


そして、今後このような揉め事を起こさないようにするためにも、マリアとはしっかりと話し合うことにした。



「Let's set a holiday」(和訳:休日を設けよう)


「お、オッケー」


「Saturday or Sunday・・・Please rest either」(和訳:土曜日か日曜日、どちらかは休んでください)


「お、おうふ・・・」



土曜か日曜か。


正直、休日はフルタイムでシフト入れてもらってたから、どちらかでも休むとなるとかなりの痛手だぞ。



「休むの、平日じゃダメかな・・・ウィークデーィズ」(Weekdays)


「アッピリエーネン」


「はい・・・?」



言ってる意味が分からない。とはいえ、マリアのことだから、平日でOKしてくれるはずもないか・・・。


ちょっと勿体ないけど、ここは土曜日の方をフリーにしますか。



「それとマリア、ドイツ語なのか何だか知らんけど、俺は英語と日本語以外には非対応だからな」


「・・・?」



やっぱ分かんないフリするんだな。


もう分かりきってるよ。マリアが首をかしげる時は、大抵分からないフリをしている時だってね。



「イヒッ リーベッディッヒ」



おい、これもう喧嘩売ってるだろ。



「そんなにドイツ語で喋りたいなら、俺が勉強したろか? これで悪口も言えなくなる」



もちろんその気はない。


だって、英語で精一杯なのに、他の言語を勉強する余裕なんてないもの。


しかもドイツ語・・・発音とか、俺的には難しいから、さすがに勘弁って感じだ。



「バス アオインマー」


「バス・・・え?」



やはり分からない。


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