第2話「ドイツでの出来事」
「ふむふむ、確かに去年、俺は旅行でドイツに行ったな」
もう訳がわからないので、最終兵器、翻訳を召喚することにしました。
「その時に出会った女の子だよ?」
※ドイツ語で喋ってます。
「えっと、ドイツ・・・あっ、もしかしてニュルンベルクの」
ドイツ旅行の際、俺はニュルンベルクという田舎町に短期間滞在した。
旅行とはいえ、バカ高い旅費を親に免除してもらうために超短期間の留学も兼ねており、いわば留学というタイトル回収のためにニュルンベルクに滞在したのだ。
でも、それ以上のことは覚えていない。なぜなら・・・。
「痛かったよね、車にはねられて・・・」
そう、いや、そうなのかもしれない。
というのも、俺は車にはねられたらしく、そのショックで事故から一週間前後の記憶がぶっ飛んでるのだ。
生まれたときからの記憶が全部なくなるというのはレアケースらしいが、事故から近い時間の記憶が飛ぶというのは、正直な話よくある事のようだ。
「すまん、えっと、事故を起こしたことは覚えていない。そして、ニュルンベルクでの記憶も」
「そうなの?」
特に驚いた様子もなく、無機質にそう返す。
「まぁな、だから、君のことも」
正直わからない。
「へぇ〜?」
普通は悲しむタイミングじゃないのか?
だが、彼女はニヤニヤと笑みを浮かべる。
俺はこの子のことを深く知っているわけではない。でも、これはわかる。何かを企んでいる顔だ。
「な、なんだよ」
恐る恐る聞き返してみる。
「別に? これなら既成事実作りまくれるな〜ってね」
「やめてください」
記憶がない以上、信じざる得ないからな。
「うそうそ、でも、私に好きって言ってくれたのは、事実だよ」
「お、おう・・・」
そんなこと言ったのかなぁ・・・。
「そして、あんなことまで・・・」
「え、待ってどんなこと!?」
どこまでが事実で、どこからが冗談なのか分からないな・・・。
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