第2話 切断vs爆発

〜藤崎 亮side〜


『ゲームスタート!!!』


突然、始まった謎のゲーム……。

当然、誰一人として動けなかった。

ただ一人をのぞいて。


「おい翔!どこいくんだよ!?」


なんなんだよ!?何が起こってんだ!?

それもこんな時に翔はどっか行くしさぁ……。


「お、おいおい、どうすんだよこれ…」


「亮くん!怖いよぉ」


演技じみた態度で腕を絡ませてくる女子を見て冷静になる。


「ッ……、おいみんなぁ!いったん落ち着こうぜ!」


そう声を張り上げる亮に自然と視線が集まった。


「こんなん言ってっけど、ただのイタズラかもしんねーじゃん!なんも慌てる必要ねえだろ!?」


「でも実際人が死んでんだぞ!イタズラなわけねーだろ!」


「ッ………」


そう言われて言葉を詰まらせる。


「(人が死んでる……、クソっ!そうだよ!これは夢なんかじゃねえ!現実なんだ!)」


深呼吸をして、口を開く。


「たしかに人が死んだ!だからってここで騒いでなんになんだ!?落ち着いて、皆で協力しようぜ!」


バァァァァン!!!


急な爆発音に全員が驚く。

そして、この教室に足音が近ずいてくることに全員が気づいていた。


ガラガラガラ


「はいはぁい、元気にしてるかなぁ」


そこには、一年生の中で最もがたいのいい一年とされる大神おおがみ まことがそこにいた。


「ッ……大神、何しに来た!」


「そうカッカすんなよ。俺はただこの異能を使ってゲームを楽しんでるだけだぜ?」


そう言って手のひらの上でバチバチバチと、小さな爆発を見せる。


「さっきの音はお前の仕業か……、ちょっと待て、お前まさか、クラスのやつら全員殺したのか!?」


「……ク、クク、クハハハハハハッッッ!!!」


「……何がおかしい!」


「おかしいッ!おかしいさ!」


嗤って口元を歪める大神を見て確信した。


「(こいつは、ここで殺る……)」


生かしておいてはいけないと……。


「さあ、楽しもうぜ?」


「全員教室を出ろッ!!!」


「りょ、亮一人おいて逃げらんねぇよ……」


「いいからさっさと行けぇッッッッ!!!」


「ッ………行くぞお前ら!」


一斉に教室を出る。

大神はそっちに目を向ける。


「はっ、逃がすと思うか?」


手を向けたその瞬間、本能で危険を察知したと同時に反射でよける。


ズバァァァァァン


次の瞬間には大神の立っていたところの床に大きく綺麗な切断面・・・が出来ていた。


「はっ、切断系の異能か……!」


そこに立っていたのは 、一本の刀を持った藤崎 亮だった。


「大神 誠……、てめえはここで仕留める…!」


「上等だぜ、かかってこいよ」


距離を詰めてくる亮に、床に向けて爆発させる。

それを、ジャンプで躱すとそのまま斬りかかる。


「こんな簡単な誘導にかかってくれるたァ、戦闘慣れしてねえな」


待ってましたと言わんばかりに手をかざす。


「死ねや!」


「てめえがな!」


──更にそれを待ってましたと言わんばかりに刀を振る。

届かない、そう判断した大神は正しかったのだろう。

普通であれば・・・・・・


ブシャァァァァ


肩から血が吹き出る。


「は?」


「ちっ!外した!」


すぐさま距離をとる大神は届いてなかったはずの斬撃を食らったことに混乱する。


「さっきのはなんだ?明らかに届いてなかっただろうが」


「気づいてないのなら大神、お前センスねえよ」


「あ!?」


「最初の斬撃、見てなかったのか?」


「……!?そうだ、なぜ気づかなかった!」


「あの床の切断面、明らかにこの刀の長さじゃとどいてなかっただろ」


「……てめえの異能はいったい…?」


どんなものでもことでも・・・・・・・・・・・斬ることができる。それが俺の異能だ」


「距離を斬ったとでも言うんじゃねえよな」


「さあな」


「………いいねいいねぇ!それでこそ攻略しがいのあるゲームってもんだぜ!」


大神は歪んだ笑みを浮かべる。


「……すぐに死ぬんじゃねぇぞ」


「安心しやがれ、秒であの世に送ってやるよ!」


そして、とてつもない激戦が始まった。





────────────────────


読んで頂きありがとうございます!


今回、ちょっと短くなりました……。

ごめんなさい。


次の話もお楽しみください。



藤崎 亮

異能:あなたの異能はどんなものでもことでも斬ることができる能力です。


大神 誠

異能:あなたの異能は手のひらで自由自在の爆発を起こすことができる能力です。

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