俺だけステータスが見える世界で
たく
第1話 ゲームスタート
『今から君たちにはゲームをしてもらいます♡』
常に携帯しているスマホから女の子の声が響く。
「なんだ…?」
『君たちには今、1人ずつ異能がギフトされたはずだよ♡』
「異能……」
『そう!君たちにはその異能を駆使してこの学校の敷地内にいる人たちとデスマッチをしてもらいます!!!』
普通じゃない。
いつも通りの日常じゃない。
これは夢の中でもない。
手を顔に当てる。するとそこには、口角が上がっている自分がいた。
俺は浅野 翔。
高校一年生。
趣味は……特にない。強いて言うなら、この退屈な日々を忘れさせてくれるようなゲームをすること。と、いってもまだ出会ったことはない。
「お〜い、かけるぅ!話聞いてんのかよぉ」
「ん、わり。なんも聞いてなかった」
こいつは俺のクラスの中心人物でもある藤崎 亮だ。
俺の幼なじみでもある(実力隠してるのを知っている)。
「だからさぁ、テストの結果どうだと思うよ?」
「無難に300点ぐらいだろ」
「てかいつになったらガチるんだよ」
「ガチるもなにも、100点とるなんて簡単だろ。それに、目立つのは嫌いなんだ。知ってるだろ?」
「出たよ天才肌!かぁーーー、かっこいいねぇ」
そう言いながら、今回のテストについて愚痴る。
聞いてる限り、あまりよくなかったんだろう。
「よし、じゃあこれからテスト返しを始める。順位としては、これだ」
────────────────────
1位 八木 颯真 498点
2位 古川 知里 497点
3位 斎藤 明日香 495点
・
・
・
────────────────────
自分の結果を見てみる。
……300点。
よし。ドンピシャだな。
「今回の結果をよく噛み締めて次の試験に望むように!」
そこまで言った瞬間
『ハロハロー!元気にしてルー?』
ざわざわざわ
「コラァ!スマホの電源を落としてないやつは誰だ!」
ゴトッ……
次の瞬間には、先程まで喋っていた先生の首が床に転がっていた。
「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」
『はーい、せーしゅくにー。うるさい子は目の前と同じ状態にするからねー』
教室中が静寂に包まれる。
ある者は両手で口を抑え、ある者は何が起こっているのか把握出来ず混乱、ある者は夢の中だと現実逃避───そんな中、異常なほど冷静な者がひとり。
「(何が起こった……?)」
そう、俺だ。
俺はひたすら目の前の事について頭をフル回転させて状況を把握する。
スマホを手に取る。
「(この女が何かしたのは間違いないな。…だがどうやって?)」
その答えはすぐに分かった。
『うんうん!えらいえらい!まだ騒いでるやつがいたら異能をまた使う事になってたよ』
『じゃあ今からやってもらいたい事を言うよ♡』
少し溜めて女は言い放つ。
『今から君たちにはゲームをしてもらいます』
「(ゲーム……?)」
『君たちには今、1人ずつ異能がギフトされたはずだよ♡』
「(異能……)」
『スマホを開いてみて?新しいアプリが追加されてるはず♡』
スマホを開くと、見覚えのないアプリがあった。
それをタップして、起動させる。
「緊急クエスト…?」
そう、画面の真ん中にには"緊急クエスト"の文字だけがあった。
『このアプリの名前は"コンバット"。このアプリにはクエストと今回のように緊急クエストというのがあるの!緊急クエストは全員強制参加だよ♡そして!今回の!緊急クエストの内容!それは!!!』
『1000人によるバトルロワイヤルin高坂学園!!!』
付け加えるように、『ルール説明はスマホを見てね♡』と言った。
すぐさまルール説明を開く。
────────────────────
バトルロワイヤルin高坂学園 ルール説明
・計1000人による、バトルロワイヤルです。最後の一人になるまで終わりません。フィールドは高坂学園の敷地内です。
・緊急クエスト中、他プレイヤーを攻撃または、殺害(キル)を許可します。
・一人、キルする度に100クエストポイント(QP)が支給されます。
・このクエストには、救済カードが存在します。フィールドで発見して、所持していた場合キルされるまで奪われることはありません。プレイヤーが所持中に殺害された場合、未使用時のみキルしたプレイヤーに譲渡されます。
・緊急クエスト脱落条件は、フィールド外へ行くこと、キルされること、端末を破壊されることです。
・緊急クエスト勝利条件は、1000人の内自分以外の全員が脱落して1人になること、ある条件を満たし脱出することです。
・勝利した人には、報酬として10000QPが支給されます。
────────────────────
『そう!君たちにはその異能を駆使してこの学校の敷地内にいる人たちとデスマッチをしてもらいます!!!』
普通じゃない。
いつも通りの日常じゃない。
これは夢の中でもない。
手を顔に当てる。するとそこには、口角が上がっている自分がいた。
待ち望んだ退屈な日々を忘れさせてくれるようなゲーム……、もしかしたら出来るかもしれない……。
『それじゃあ、始めるよ!ゲームスタート!!!』
「上等……!」
そう呟く俺は、歪んだ笑みを浮かべていた。
────────────────────
読んでいただきありがとうございます!
有言実行!新作出しました!
次、書く時があったら、舞台は現代日本で異能バトル系が書きたい!と思っていたのでこの作品を書いてみました。
更新ペースもしかしたら遅くなるかもしれません。ごめんなさい……。
では、次の話もお楽しみください。
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