story8

丹波飛鳥と少し話して、わかったことがいくつかある。


一つ目。大昔から代々伝わる家系にのみ、

俺のような特別な能力を使える人間が生まれる。


二つ目。能力はいつか「枯渇」する。


三つ目。連続して使うと疲れる。


以上である。二つ目については、本人が能力が「枯渇」した

ひいお婆さんに聞いたことがあるそうだ。

ただ体力が衰えていたという可能性も否定はできないが。


この日の授業が終わり、廊下に出ると、

ヤンキーやらイケメンやら丸眼鏡やら生徒副会長やらが

俺の元へ押し寄せてきた。


「おい、お前飛鳥ちゃんと何喋ったんや!!」


「なんであなたみたいな陰キャが丹波さんと仲良くできるのですか⁉︎」


「俺の女に手出したら承知しないよ…?」


どいつもこいつも…。


「い、いや、俺は丹波さんとそんなんじゃ…」


--ダメだ。この状況で否定しても無意味だ。


「ふざけとんちゃうぞオラ!!!」


「ひぇーーーーー!!」


陰キャの底力を見せつけるようにして、全力疾走で逃げた。


まあ50m10秒台の実力を侮ってはいけないと言うことですよ。

はっはっは!


「はっはっは!!!」


--なぜ声に出てる!


あたりの生徒にドン引きされた。


家に帰り、自分のスマートフォンで能力について調べた。

国衛省のホームページによく載っていた。


『特異的な能力(以後、「特能」と称す)は、

昔より言い伝えのある、宮城家、清水家、丹波家、厳島家、

屋久家の5家の者のみに確認されている。

また、家系によって特能の種類の違いも確認されている。

宮城家は、身体能力的な特能。

清水家は、心理的な特能。

丹波家は、時間や空間における特能。

厳島家は、物体を移動させられる特能。

屋久家は、他社の特能を強く又は弱くできる特能。

以上の通りである。


国衛省の記録上で、初めて特能が確認されたのは1979年である。』


まだまだ続くが、この辺にしておこう。

眠くなってきた。


--ってか、厳島家強くね。

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僕的世界彩色物語 葵はやと @tanaka_write

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