story7

「あー、あの飛行機ねー、

多分この後落ちるよー、15秒後に。」


--やっぱり…、え、ちょっと待て。


「どうしてわかるんだ⁉︎」


その子は微笑んだ。そして、走って学校へ行ってしまった。

まさか、あの子も能力を持っているのだろうか…。


--ってか、もう遅刻確定じゃん…。


諦めてのんびり歩いて行くことにした。


〜 〜 〜


後からわかったが、先程の子は

学年一の美少女、丹波飛鳥だそうだ。


能力を使えるのは清水家だけだと思っていたため、

少し驚いている。

まあ、能力を使っていると確定したわけではないが。


3限目の後、廊下から飛鳥に呼ばれた。


「大和くん、超能力使えるでしょ。」


まあそのことだろうとは思っていたが、

なにか驚きというか緊張というか、よくわからない感情が

心を占めている。


「え…、あ、まあ…。」


「私も!仲間だあ!」


ーーこいつもしや…馬鹿なのか⁉︎


「お、おぉ…。仲間、ねぇ…。」


敵か味方かもはっきりしないこの段階で

仲間と呼ぶのはどうかと思うが、まあいいか。



「あ、それで、どんな能力が使えるの?」


一番聴きたかったことをぶつけてみた。


「条件をつけた15秒先の未来が見える。

例えば、この道を左へ曲がった場合の15秒後とかかなー。」


なにそれなにそれなにそれ

もはやチートなのだが。


まさか、この人生という名のゲーム内では、

主人公はこいつだというのか…。

そして俺は脇役として主人公を支える役。


--よし、モブ回避。


なんかこの考え方がモブっぽいのは気のせいだろうか。

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