★★★ Excellent!!! 意味を運ぶトラックではなく、自身が鑑賞対象である言葉 村乃枯草 この詩を評価する前に、評価する観点について語らせてください。 詩を「ポエム」と呼ぶ人と「詩」(特に「現代詩」)と呼ぶ人の間で、詩を評価する観点に大きな差があると感じます。 「ポエム」と呼ぶ人は、記された意味を追い、いいことが書かれているといい詩だと評価するように思われます。 「詩」と呼ぶ人にとって、詩においては言葉自体が鑑賞対象です。言葉は、意味をたくさん積めたからいいのだという、まるでトラックのような存在ではありません。言葉自体が芸術品・美術品です。しかも「現代詩」とつくと、過去の芸術と現代芸術が隔絶されているように、綺麗なものを置くのではなく、日常からの逸脱を目指します。それは一種の異形・怪物となります。 ここまで記して、本作品群を語れます。 本作品群は異形となった言葉を鑑賞するものです。意味は受け取りにくいかもしれません。言葉遣いも慣れない形式なので読みづらいかもしれません。しかし日常からの逸脱こそが主眼。そう思うと伝わるでしょう。 傲慢な物言いをすれば、これが「ポエム」ではなく「詩」です。 レビューいいね! 2 2021年8月15日 11:31
★★ Very Good!! 何やら心惹かれる微かな違和感を纏った断片たち すらかき飄乎 普通とは、日常とは、何でしょうか? ここにある断片たちは、奇想天外なファンタジーとは違って、日常に寄り添っています。 それでいて、いつも眺めている風景が何か少しずれてしまったような、微かな違和感。 断片たちが、違和感をほのかに纏いながら描くモザイク画。 もう少しで解りそうで、やっぱり解らないことに却って安堵するような…… そんな、懐かしくも心惹かれる断片たちです。 レビューいいね! 2 2021年8月2日 08:11