第14話
リアルで諸々済ませて昼過ぎにログインするとAROは夜明け時だった。
フレンドリストを開くとジンはログインしている。そのままリストからジンを選択してフレンドコールを掛けるとすぐに反応があった。
『もっし~。』
『悪い、今大丈夫か?』
『問題ないで。どないしたん?』
『採取のスキルを買ったって西の平原行ってきたんだけど、採取した物が未鑑定で困ってる。ジンは鑑定できるか?』
『鑑定なら取っとるで。今市場で出店したところやきん、来たら鑑定したるよ。西の平原の物なら鑑定料もいらん。』
『すまん、助かる。すぐに向かう。』
『はいよ~。待っとるで~。』
フレンドコールを切ってすぐに市場に向かった。
ジンの露店にやってくるとバルトスも店にいた。
「おっ、来よった来よった。」
「よう、バルトスも来てたのか。」
「儂は納品だ。作った物の販売はこいつに任せとる。」
「自分で売った方が高く売れて次の資金になるだろ?」
「俺は安くで仕入れられて助かっとるで。」
「接客して物を売るなんて面倒だ。それなら多少売値が下がっても物を作る時間を確保できる方がいい。」
「職人やな~。」
「ローガンはまた豆鉄球の補充か?一応それも作り足してこいつに納品してあるぞ。」
「助かるが、いいのか?聞いた感じ、これを買うのなんて俺ぐらいなんだろ?」
「せやな。例のイベント以降
「気にするな。豆鉄球はインゴットの品質に関係なく攻撃力が5のやつしかできない。品質の悪いインゴットの処分にちょうどいい。」
そういうと鍛冶場に戻るといってバルトスは帰っていった。
「そんじゃあ西の平原で採取した物の鑑定やったな。どれ、見せてみ?」
「あぁ、これだ。」
カウンターの空いているスペースに未鑑定のアイテムを取り出す。
「はい、鑑定。」
ジンがそういうとカウンターに積まれた草と石がポンという効果音と共に見た目を変えた。それと同時にジンの前にウィンドウが開く。
ジンはその内容を見て「確かに西の平原で取れるもんばっかしやな~」とつぶやいた。
「もう
「すまん、助かった。」
鑑定してもらったアイテムをインベントリに仕舞って鑑定結果を確認しておく。
--------------------
名称:回復草
分類:素材
品質:最低
説明:食べると少しだけHPが回復する草
重量:0.1
--------------------
--------------------
名称:毒草
分類:素材
品質:最低
説明:食べると毒の状態異常になる草
重量:0.1
--------------------
--------------------
名称:麻痺草
分類:素材
品質:最低
説明:食べると麻痺の状態異常になる草
重量:0.1
--------------------
--------------------
名称:石
分類:素材
品質:普通
説明:なんの変哲もないただの石
中に何かが含まれている可能性は極めて低い
重量:0.3
--------------------
内容は回復草が10本、毒草が7本、麻痺草3本だった。
「草系の素材は主にポーションとか薬系の材料やね。石は基本的にガラクタや。たまに中に宝石の原石が埋まってて、彫刻とか採掘みたいな掘り出し系のスキルにあるアビリティで取り出せるで。埋まってる確率は説明欄の内容であたりを付けるしかないなぁ。」
「この品質っていうのは?」
「それはそのまんま素材としての品質や。ポーションにしろ武器にしろ品質が高い素材を
「なるほど。そうすると品質が高い方が売る時にも高い値段で売れるんだよな。」
「もち。」
「品質を高めるにはどうすればいいんだ?」
「採取方法にあった採取道具を使うことやね。草系なら毟っても取れるけどハサミか鎌で採取した方がええよ。石とか鉱石を掘り出すならつるはしかシャベル。石から原石を掘り出すなら彫刻刀と刷毛ってな具合やね。あとはスキルのアビリティに採取物の品質を上げるものがあるで。品質は採取時に決まるから鑑定スキルの性能は関係ないで。」
「それならそのうちそういうものも用意した方がいいのか。」
思ったよりかさむ出費に思わずため息が漏れる。
「ちなみにこれを俺が買い取るんなら草系が1本5G、石は買取不可や。品質が普通なら1本20Gで買い取るんやけど。」
「品質普通でギルドの納品クエストと同等か。」
「素材の値段は大体そんなもんやね。珍しい素材なら別やねんけど。」
「それじゃあ、これはギルドの納品に回させてもらうか。」
「それがええよ。それで狩りはどんな感じや?豆鉄球を買う量が少しずつ増えてるところを見ると一応黒字にはなっとるんか?」
ジンの問いにわずかに首をかしげる。
「そうだな。一応という程度の量だがプラスになってるぞ。」
「そうか、そんなら今に武器は持ち変えるん?」
「いや、一応このまま進められるところまで進めるつもりだ。」
「さよか。そんならうちも豆鉄球以外に安く売れそうな投擲武器を探しといたるわ。」
「いいのか?」
「ええよ。それなりに稼いどるさかい。面白そうなプレイヤーには多少融通利かせることにしとるんや。もちろんちゃんと俺に利益が出るように調整したうえでな。」
「じゃあ悪いが頼むな。」
「おう、任せとき。」
ジンにお礼を言って市場を離れるとギルドで薬草を納品し、クエスト受け直して草原へ出た。
アングラVRMMOを楽しみます タスク @task_15
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アングラVRMMOを楽しみますの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます