創作は喜びなのか、修羅の道なのか。
誰もがそれを始めた端緒は、ただただ楽しさの中に没入していれば、それで良かった。
紙とペン。
粘土。
楽器。
誰もが創造神だった。
けれど、誘惑の果実が現れる。
「評価」という禁断の果実。
それは即ち、価値の提示であり、順列を規定する。
それでも最初は知己の中で、優しい世界の中で取り交わされ、思いやりに満ちている。
だから人は誤解する。
その小さなコミュニティの評価が、大海の中でもきっと維持できると。
紙は破かれ。
粘土は土に還り。
楽器はオブジェに用途を変える。
それでも、そこから這い上がる意志があれば、塗りつぶした心の闇を、わずかな花火が照らしてくれる。
そんなエールの物語。