7.Next Union

「これで全部片付いたっすね」

青髪の青年が剣を鞘に収める。彼の目の前には農作物を荒らしていた動物の死体が転がっていた。青年の隣にはフードを被った女性とつばの広い帽子をかぶった背の低い魔術師のような姿の冒険者が居た。

やがて、農民が3人の元へと駆け寄り礼を言う。

「ありがとうございます。冒険者さん。助かりました」

「依頼だからね。これからはちゃんと柵を立てたほうがいいと思うよ」

魔術師が答える。もう一人は小さく頷きはしたが、押し黙ったままだった。

「まぁ、何かあったらまた呼んでくれていいっすからね。それじゃ次の依頼に行きましょうか」

青髪の青年がそう言うと農民は彼らに訊ねた。

「最後にお名前だけでもお聞きしてよろしいでしょうか?」

それに対して背の低い冒険者が丁寧に答えた。

「名前なんてただの符号でしかないけれども、改まって聞かれると少し嬉しくもあるね」

その冒険者の口調は丁寧ながらも、どこか人を苛立たせるような口ぶりだ。そして、彼は名前を名乗る。

「僕の名前はセルシー。セルシー・ブラウンだ」

帽子の穴から2本の白い耳を伸ばし小さく胸を張ったタビットはそう言った。


to be continued……



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「夢見るおっさんタビットと方言メリア」リプレイ・プロミス第1話 @OverHeatYuyu

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