第2話 永遠の約束
私達の1度目の結婚式での誓いがこの記憶を保持したままの輪廻転を繰り返す発端となっている。
通常の結婚式では契約の女神イラストリアの前で、死が二人を分かつまで愛を誓うのが通例なのだが偶に違うことを願う夫婦もいる。
だが、神々の前での誓いを軽く見ては行けない。
神々との約束なのだから破れば当然神罰が下だる。
死が2人を別つまで愛する事を誓ったのに浮気をしたなら男性も女性も不能になり、左手の親指に黒い輪が刻まれる。
神罰が重なればそのうちに左の親指は腐れ落ち、指無しと言われる奴隷になるしか生きる道は残されていない。
指なしは鉱山などで厳しい監査の元重労働と決まっている。
契約しても守らないなら指なしなのだ、契約など意味が無い、徹底された監視のもと最低限の衣食住のみで使い潰されて死んでいく。
それが指なしになった者の末路だ。
さて、そんな世界での結婚の誓いで私と彼が誓った内容それは・・・
「女神イラストリアよ、ここに結婚の誓いを行う。
死が二人を分かつまで彼を愛し続けると誓います。
そして、死が2人を別っても輪廻転生が行われる限り彼女を見つけ、愛し、共に人生を歩む事を誓う。私の魂の伴侶は彼女以外にありえない!。」
彼が女神イラストリアに輪廻転生し続ける限り私をストーカーすると声高らかに晴れやかな表情で宣言されてしまい、通常の誓い思っていた私は急ぎ誓いを変更しなくてはいけなくなり焦った。
死してなお魂を縛る誓いなど何が起こるか解らないので行おうなど思うものは居ないのだ。
さて、私はどうだろう。
死してなお輪廻転生を繰り返してもアレと一緒に居たいのだろうか?。
断った所でストーカー宣言は既になされているので条件付きにし、契約が破棄できる場合も盛り込まなければ何か有った場合にストーキングされ続ける事になる。
取り替えず、死が二人を分かつまで愛する事は誓えるが・・・。
「女神イラストリアよ、ここに結婚の誓いを行う。
死が二人を分かつまで彼を愛し続けると誓います。輪廻転生が行われる限り私が13歳になるまでに彼が私を見つける事、そして私が彼を心の底から嫌いにならない限り転生後の人生も共に人生を歩む事を誓います。」
こうして行われた誓いにより死後の世界で輪廻の男神グライトスに拝謁することになり、いくつかの制約と可能な限り神々からの依頼を受けることを条件とし、輪廻転生を繰り返す。
そして6度目の今回も13歳までに見つけられてしまい、偶にすごく気持ち悪いこともあるが、200年近く一緒にいても嫌いにはなれなかったので結局今回も夫婦として人生を歩んでいく。
転生夫婦は絶景を求めて旅をする 一本松 @mai1989
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