第2話 斉条 渚

家を出たらいつものあいつがいる。口うるさいあいつがいる。少し惚れてるあいつがいる。


「今日は少し早いじゃん。少しだけどね!」

「あぁそうね。お鳥さんに起こされたからね」

「てことは、あの夢また見た?」

「また見たよ。なんで見るようになったんだろうね」


そんな他愛のない話をして、家から学校までを一緒に通学する。これが、この二人の月曜日から金曜日までの流れだった。


「そういえばさ、昨日学校でもらった生徒カード持ってきた?」

「あが一応ね。今日使用方法を教えてくれるんだろ?」

「らしいね。授業の出欠席の記録とか、テストの点とかが分かるようになるんじゃないかって、女友達の間では噂だよ笑」

「あの学校にそんなシステム導入するようなお金が存在したんだな」


この二人が話している生徒カードとは、前日に配布されたものであり、学生ならわかるであろう生徒証のようなものである。しかし、この生徒カードが後に事件を起こすとはこの二人、いや生徒達は知らない。


「あのさ、生徒カードの説明書をさ昨日読んでたんだけど、1つだけ謎なところがあるんだよね」

「謎?」

「3つ目の項目があるでしょ?そこが???を行うってなってるんだよね」

「確かになってるな、まぁお金あるってことは分かったし、成績良好な者には学食無料提供を行うとか?」

「それ最高!だったら予習でも復習でも頑張っちゃうよ笑」


この日は生徒カードのことを話してたらあっという間に学校へ着いた。普段、通学中生徒達の会話などで賑わってるのだが、人気がなく静かであった。不信感を抱きつつも、靴を入れ、階段を登りクラスへ入った。


「ようこそ。斉条渚。篠宮蒼。君たち二人の到着でクラス30人が集まりました」

「みんなモニターのこいつは何?」

「改めまして。30人の皆さん、おはようございます。今からDeath Schoolを開始します」


モニターに書いてあった文字それは…


「Death School

最後の1人になるまで死に続けます」


クラスのみんな、いや俺は、ここから少しずつ変わっていった。

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Death School @cafe_mokaa

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