ゆめかまばろしか
バブみ道日丿宮組
お題:高貴な世界 制限時間:15分
ゆめかまばろしか
人の生き死にを決めるのはいったいなんだろうか。
崩れ落ちる命を助けることか? 見知らぬ誰かの身代わりになることか? 徹底的に無視することか? 痛みを知らさずに刈り取ることか?
頭にいろんな考えが浮かんで消える。
「ーーであるからして」
教師が黒板に文字を書きながら説明してる。
もう何度目にしたかわからない光景だ。
ーー自分は転生者だ。
なにがきっかけでそうなったのかも、どうして繰り返すのかもわからない。
わかってるのは、死ねば死ぬほどよくわからない家系に転生するということだ。
今はお嬢様学校に通ってる。
何をしてもお嬢様は驚くばかりで、私は、異端者のような扱いを受けたり、英雄のような扱いを受けてる。孤立するということはないが、派閥争いの筆頭にいる。
今の私の父と母はわりと放任主義で成績さえ出してれば文句は言わない。そこはこの身体になったこともあって都合がいい。何十年、何百年と勉強をしてるから、今更家庭教師や、習い事を命じられても困る。
私は天才じゃないのだから、勘違いしてもらっては困る。
まずやってきた世界が違う。やらなかったことの世界のが少ない。
もっとも隠しながらやるというのは案外難しくて、家族間が悪くなったりすることもあった。
私にとって家族は家族ではあるが、ほんとうの意味での家族じゃない。
もう……最初の父と母の顔は思い出せない。残ってるものも当然ない。歴史に名を残すような人物であれば歴史の教科書やらにあったのかもしれないが、それもない。
よくわからない家系であったとしても、なにか偉大なことをした家系ではない。
私がなにかをしたということもない。残せば残すほど、私という異端を自覚しなければならなくなるから。
人は一度の人生。
そんな世界の歯車から外れた私はいったいなんだろうか。
「……」
何度目になるかわからない思考をしながら、今日も私は生きてく。
ゆめかまばろしか バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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