「殺してごめんなさい」

　その森の寝言をきっかけに、佐倉は彼女の過去を知っていく。それは戦後最悪とも言われるバス事故に繋がっていた。また、その事故には佐倉が憧れている記者と出会うきっかけとなった過去の事件とも強く関係するものだった。

　佐倉は大学の仲間達と共にその事故のことを具に調べ上げていく。すると、警察・国交省・司法・マスコミが判を押したように「バス運転手の操作ミス」としたこの事件の不可解な点が次第に浮かび上がる。事実を歪めているのは誰なのか？　森が「殺した」という罪の意識を抱えているのはなぜなのか？　真実に辿り着いた時、無力な彼らはどんな選択をするのか？

　最終章　『時の娘殺し』

　十一月に公開予定です。　