森の自己紹介と状況説明(3)

 森さんの話を聞きながら、僕は今回の登場人物の大まかな行動を、時間軸に沿ってまとめてみた。


【二部演劇研究会】

・12:22 森、購買でパン買う(レシートで確認)

・12:30 森、部室入。既に鳥谷いる。少し遅れて内藤くる。三人で昼食

     持ち物検査

     ・森:文庫本、ポーチ

     ・内藤:お弁当、ポーチ、チョコ

     ・鳥谷:お弁当、野球ボール、カードゲーム、CD

・12:50 内藤、三限へ

・13:02 本田代表、部室入。鳥谷、三限へ

◎13:05 本田代表、参考書を取り、三限へ。部室に鍵かける

・13:10 森、入眠


 ついでに、自分の行動も同じようにまとめた。


【新聞部】(佐倉のみ)

・12:30      二限終了

◎12:35     部室入。鍵開ける

・12:35〜13:00 ご飯

◎13:00〜13:10 三限へ移動。部室の鍵をかける

・13:10〜14:35 三限(法律学)

・14:35〜14:45 図書館へ移動

・14:45     何者かからの呼び出しメール(受信履歴で確認)

・14:45〜14:50 部室へ移動

◎14:50     部室の鍵を開ける。森と遭遇


「わたしが新聞部の部室に運ばれたのは、十三時十分から十四時五十分の間、つまりは三限の間ということね」

 この大学の三限は、十三時十分に始まり十四時五十分に終わる。

「そう。そしてこの二重丸がついているのが、部室に鍵を掛けた印だ」

「わたしを二劇から新聞部の部室に運ぶためには、それぞれの部室の鍵のかかったドアを潜り抜けないといけないことになる。新聞部と二劇を兼部している人はもちろんいないから、これはいわゆる不可能犯罪ね」

 記事にしたらいい読み物になりそうだ。できれば犯人はミスコン主催団体の人たちだと記事が書きやすいのだが、それを望むのはモラルに欠けるだろう。

「森さんが部室で寝ていることを知っているのは、その三人だけってことだよね」

「ええ。以前まではたまに小泉さんも部室に参考書を取りに来ていたりしたけど。部会がない日に部室に出入りしているのはこの三人くらいね。それに火曜のこの時間帯は、他の部員のみんなは用があるらしくて、部室に来た事はないよ」

 腕時計を見た。十五時三十分。

「その三人と話がしたいな」

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