2-2.航行、遭遇

 

 突如投げ込まれた白炎玉と、迫り来るなにかの音。

 PCたちは正体を探ります。



アンディーブ 金属音? 楽器?


GM 楽器? 抑揚がある。


アンディーブ 楽器にも抑揚はある。


GM そりゃそうだ。生体のような?


アンディーブ ほう。


クレイン 言語ではない?


GM ない。あるいは言語として解することもできる人もいるかもしれないが……、


クレイン ああ……。


GM この船にはいないかもしれないなぁ。タングってどこまで行けるんだろう。


アンディーブ 例えばライダー技能で、ドルフィンがいるから海獣語は取れる。


GM 取れるんだ!?


アンディーブ とれる。あとタングは未知の言語と会話できるからなんでもいける。


GM ほうほうOK。とりあえずわかりました。


アンディーブ それはそれとして、我々は聞いたことがないんだよね? 船長に聞いてみよう。


GM 船長は青い顔をしている。


アンディーブ 青い顔をしている。「なんの音か知ってるの?」


GM/船長 「言っただろ、この辺。クジラが出るんだよ」と少し呆然と言ったあと、ハッとしたように船員たちに帆を張って速度をできるだけあげるよう指示しています。


クレイン じゃが岩礁地帯で夜中じゃぞ…。


GM/船長 「そのためのエルフだよ!」てエルフをずらっと並べてますね。


アンディーブ ずらっと並んだ。頑張ったな。


GM この船にはエルフが21人乗ってるらしいですね。


アンディーブ 21人!? (笑)


GM 船員の3分の2はエルフかな? おおよそ。


アンディーブ それはすごい。


GM あとフィーがわらわらっと集まっていますが奴らには暗視がないので魔法を使ったりしてコマゴマ頑張っているようです。「船長明かり灯しちゃっていーい?」とか言っています。


クレイン 危ないこと言っておる。


GM/フィー だってもう来るってこれ!


クレイン こちらにくる?


GM 以前も襲われた時こういう声をあげてたんだそうです。


クレイン なるほど攻撃系の? それは大変じゃ。気をつけんと行かんのう。


GM ではスカウト/レンジャー知力でどうぞ。


アンディーブ (コロコロ)アンディーブは18。


クレイン (コロコロ)12。


アーティ レンジャーが2レベルしかない……(コロコロ)6ゾロだよ。


GM 強い!


アンディーブ 強い(笑)


GM 6ゾロは、6ゾロは…!!


 6ゾロは自動成功なので、達成値など関係ありません。全て見えた! できます。


GM アンディーブも見え……いやアンディーブは暗視ないんだっけ?


アンディーブ 人間だから無いね。


GM アーティは暗視がある?


アンディーブ アーティは暗視がある。


GM じゃあアンディーブは暗視がないのでうっすらとしか見えませんでしたが、白い巨体が迫って来ていることを感じます。


アンディーブ 空中から?


GM 空中から。で、アーティははっきり見えるんですけど、「あれは確かに空飛ぶクジラだな」と。納得を持って空飛ぶクジラを視認することができます。迫って来ています。明らかに突撃するような勢いで向かって来ている。


アーティ 沈められてしまうね。それはよろしくない。


GM では……一回船長から話を聞いてるので、+2でまもちきを振ってください。


アーティ (コロコロ)14だよ。


GM わかりませんでした! 他の方もどうぞ! 誰か! わかって!


 最早GMの祈りですが、抜くと抜かないとで戦闘のやりやすさはもちろん段違いなのでGMは祈っています。


クレイン (コロコロ)わからんのう。


アンディーブ (コロコロ)どうにもならないねぇ。


GM フォルンモフリマース。


 祈るGM。振られるサイコロ。


GM 17! いけるんじゃ……だめでした! 1足りない。知名度たっかいなぁ!


アンディーブ このレベルで18はなかなか厳しいね。


GM 厳しいねぇ。では、よくわかりませんが白いクジラが飛んできています。


アンディーブ うーん。


GM 明らかに巨大な、そうですね、3部位モンスターっぽいものが飛んできています。「お前らあれやれるか!?」て船長が聞いてきます。


アンディーブ ……無理じゃないかなー。そもそも今見えないしねー。


GM/船長 明かりならつけるから! こっちが!


アンディーブ そもそも飛んでる以上は無理だねー。


GM 飛んでることに関しては向こうは攻撃体制に入ってるので、高度を落としています。当たります。


アンディーブ ……あの巨体にぶつかられると一瞬じゃないかなーって思うよー。


GM/船長 「あ……ああじゃあわかった! お前ら、5ターンくらい」5ターンってのはルール的にね。「5ターンくらいで良いからアイツを引き止めるのは無理か?」


アンディーブ 引き止めるってどういうこと?


GM/船長 アイツの気を引いてくれたら、その間にここを離れるから、


アンディーブ 水に飛び込めってこと?


GM いえ、この辺岩礁が多いので。


アンディーブ 岩に飛び乗ってボクたちは取り残されて死ねってこと?


GM/船長 じゃ、じゃなくって、うちの船員も残すから! ちょっとだけ気を引いた後エルフと一緒に逃げてくれ!


アンディーブ スカイホエールは泳げないのね?


GM 泳げない! ……なんか聞こえたな。なんか聞こえたけどとりあえず泳げない!


アンディーブ なんか聞こえた?


GM いや、モンスター名が。


アンディーブ ああ……。


 魔物知識は抜けていないのでモンスター名は一度も出していないのですが、特定はされているようです。プレイヤー知識の使用が許可されているので、この辺は意思疎通がしやすくて有難いですね。GMはちょっと安堵している。


アンディーブ ……空飛ぶ、クジラは、泳げないのね?


GM 空飛ぶくじらは泳げない!


 言い直したPLとGM。


GM それは前に船長も確認していて、なので逃げられたそうです。


アンディーブ ドワーフなのに頑張ったな。


GM エルフもいたからね。


アンディーブ ボクらは一回岩礁に行ってそこで引きつけて、エルフと手を繋いで追いつくってことね?


GM そういうことそういうこと。


クレイン なるほど。とりあえず出来るできないは置いておいてやらないと船が沈んで終わりなので……


GM (笑)


クレイン やれるかわからんがやるしかあるまい。


GM エルフたちはチキンベルト※付けてるので、最悪それで一緒に逃げてくれるそうです。君達を連れて。なので君たちが気絶してもなんとかするとは言っています。


※チキンベルト……装備者を20m吹っ飛ばす道具。飛んだ先は海ですし、エルフレンジャーの使用者を想定しているので、落下ダメージはある程度カバーできるものとしています。


クレイン どのみち船から離さねばならんからな。他に頑張りたいやつがいるかどうか冒険者たちに聞いてみよう。


GM 冒険者たちはだいぶ怯えているようです。


クレイン ふむ。そうじゃろうな。問題は、白炎玉がなぜ何処から来て水の中にドボンと飛び込んだ奴がなんだったのか全くわからん状態ということじゃな……とりあえず「ソイツらがまた船を襲う可能性があるから、冒険者の奴らはそれを警戒しておれ」と言っておこう。


GM ぶるぶる震えながら「すみませんよろしくお願いします!」と言っていますね。金属鎧の人が金属鎧を着始めました。


クレイン そ、そうじゃな。水に落ちんようにな。


GM/金属鎧の冒険者 「がんばる! 俺がんばるよ!」


クレイン では岩礁に移動するとしよう。


GM はい。では岩礁への移動については、いっぱいあるのでそこまで難しくなく行うことができたということでよいです。必要とあらばフィーとかもロープ張りとか手伝ってくれますし、皆さん非金属鎧なので。


クレイン うむ。問題があるとすればストーンサーバントだけじゃろ。


GM (笑)


クレイン 奴は石じゃからな。


GM えーと、エルフが頑張って運びました。沈みかけたけど。


クレイン がんばったのエルフ。


GM で、クジラの方もうろちょろ近づいたり離れたりしながら皆さんの様子を伺っているようです。


アーティ じゃあライトをつけてこっちに誘き寄せようとしよう。


GM ほいほい。行使判定どうぞ。


アーティ はーい。では【拡大/数】。


GM お?


アーティ 3つくらいこっちに、誘導灯みたいにつけるよ。これなら寄ってくるんじゃないかな?


GM なるほどなるほど。ライトってぶつかったらどうなるんですっけ?


アーティ 任意の地点が光るだけなので、すり抜ける。


GM じゃあ……空飛ぶクジラは光を「あーむっ」て食べようとしましたが、するっとすり抜けて皆さんの方にやって来ます。


アンディーブ 今度からディスペルマジックを持て?


GM (笑)


 無茶を言うなというやつである。


GM で、光ってるので分かるのですが、尻尾のところを怪我しているみたいですね。


アンディーブ ほー、なるほどね?


クレイン 誰かに怪我させられて気が立っておるのか、どっかにぶつけて気が立っておるのか……。治りが弱くて気が立ってるのかどれかじゃの?


アーティ 気が立ってるのは間違いない。


クレイン とりあえずなんとかするしかあるまい。


GM では空飛ぶクジラは皆さんに向かって一声高々と鳴いた後襲いかかって来ます。戦闘です。


(次ページへ 戦闘に入ります!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

布教そっちのけ冒険伝道師 鳥越 @torigoetable

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ