第1話
ドラゴンの里を追放された。
ドラゴンの里の
自分たち
しかも自分は未だに
自分の名のスレイは龍人族の英雄ログスレイからとったものである事からも分かるように父は自分に大きな期待をしていたのだろう。
しかしスレイは父の期待に何一つ答える事ができなかった。
「スレイ」昔はよく父がそうスレイに話しかけることが多かった。今では「お前」か「恥さらし」のどちらかでしか呼んでくれなくなった。
昨日父から「お前はなんて弱いんだ。15歳にもなって龍化の術も使えんとは。お前みたいなやつを育てた覚えはないぞ。もう二度とこの地に足を踏み入れるな」と言われ、下界に追放されてしまった。
ここで自分は殺されてしまうのだろう。人間は強いと聞くこの前里まで来た者は3体のドラゴンを倒して帰ってしまった。
「助けてー」誰かが助けを呼ぶ声が聞こえる。
誰かが助けを呼んでいる。早く助けに行かなくては。
その場所まで行きオークが人を
あのオークが人間を襲っている…。人間はなぜ反撃をしない。あの程度の魔物なら一撃で倒せるだろうに。
オークの蹴りで女が木に打ち付けられ、血が出ている。
まさかオークよりも弱い人間が存在するのか。きっとそうなのだろう。女がわざとオークの蹴りをくらったようには見えなかった。
「そこの人私のお兄ちゃんを助けて」人間の女がスレイを見つけ泣きながら言う。
女が指をさした方では1人の男がオークの中でも一般的なオークより一回り大きいハイオークの
ハイオークは物
「ありがとう」先程の女がスレイに礼を言う。
「助かった。お前がいなかったら俺は今頃ハイオークに殺されてたぜ」
男がオークに飛ばされた女に青い液体が入った瓶を手渡す。それを女は一息で飲み干した。
女の傷はみるみる回復し、女はあっという間に元気になった。
「お兄ちゃんそんな
「ありがとな。俺はガビル横にいるこのうるさいのがアルナでそこで気絶してんのがカシハって言うんだ。お前は」
スレイは今初めてカシハの存在に気付いた。
「僕はスレイところでそこのカシハってのは大丈夫なのかい?」
「大丈夫。大丈夫。こうやって」
ガビルがカシハの腹を思いっきり踏む。カシハが
「オェ。
起きたカシハとスレイの目が合う
「こちらにいる人は?」
「お前そんな茶色の顔で何言ってんだよ」ガビルが腹を抱えながら笑って言う。
「はぁ。それは兄貴がこんな起こし方するからだろうが」カシハは怒って近くの川まで顔を洗いに行った。
「ごめんね。スレイさん2人ともうるさくって」
「いいよ。
ガサガサっと音がさっき吹き飛ばしたハイオークのいる方からする。
「まだ生きていていたか」
スレイはハイオークの核を刺しとどめをさした。
「ところでスレイさんの冒険者ランクはなんですか」アルナが興味津々と言った様子で聞いてくる。それを聞いたガビルもこっちを見てくる。
「ごめん。冒険者ランクって何?」
「えっ。冒険者ランク知らないの?」
「かなり遠くから来ているからちょっと分からなくて」
「なら、この冒険者ランク銅のアルナが教えてあげるわ」
アルナはポケットからブロンズ色カードを取り出す。
「このカードはキルドカードと言って身分証明をするときなどに使うもので、私はこの色だから私の冒険者ランクは銅と呼ばれるものなの。詳しい説明はギルドカードを作るときにされるから。一応確認しとくけどギルドカード持っていないよね」
「持ってないよ」
「それじゃ今から作りに行くよ」と言い、アルナはスレイの腕をとって歩き出す。
川で顔を洗って帰って来たカシハとガビルの間では2人に聞こえないような小声で「カシハ、今日のアルナテンション高いんだがどうしたんだ?」それに呆れたような表情を見せながら「兄貴、アルナの歳を考えろよ」「17だろ」「はぁ、やっぱりなんでもないっす」などと話していた。
世界最弱だと思っていた自分が人間界では最強でした コラボイズ @singetunoyoru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。世界最弱だと思っていた自分が人間界では最強でしたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます