人物紹介編2

☆『拳銃乱射のお巡りさん』店主

　右目と左目の白い部分が繋がっている。先天的ではなく、自ら望んで改造した結果だ。何故か日本の昭和40年代まで使われていた警察官の本物の制服を愛用している。もちろん警察権などの公権力なぞ持つわけがない一般人。普段は荒い言動で客はドン引きだが、相手が同じジャンルのマニアや理解者だと丁寧になる。しょっちゅう通行人や客に向けて当てるつもりはない銃を乱射するため、留置所の常連であったりする。その反面涙もろく人情噺に弱いため、『こち亀』の話しに心打たれて錫乃介に大幅に値切られる。モデルは言うまでもなく赤塚不二夫のキャラ。

☆エーライトのガソリンスタンドのスタッフ

　青色のツナギを着た坊主の黒人のあんちゃん。名前もないモブキャラだが、今章における主要登場人物の車両の燃料は全てこのあんちゃんが補給しているため、意外に大事。新宿が町として機能してからはスタンドは大忙し。錫乃介の言う通りガソリンを大量に仕入れていたため一財産を築く。その後エーライト急発展の立役者になり知事になるまで出世する。

☆シンディ

　赤茶のロングヘアを雑に後ろでまとめた女の子。歳の頃は15～16。もともと孤児で奴隷。変態好事家に買われない用自らの片目を焼いて潰すなどロクな幼少期を過ごしていないが、ラオウ山下により解放される。それ以来山下に身を守るために格闘技や銃器の取り扱い等の戦いを叩き込まれる。山下には肉親のそれ以上の愛情を抱いているが、妙に乙女なところがありうまく踏み込めない。錫乃介と初対面の時は無駄に絡まれないように”カキタレ”などと自称したが、そのような手出しは一切されていない。

　ジークンドーに限らず格闘技全般できるがワンインチ掌底がお気に入り。

　モデルは作者の遠縁の女の子。その子は別に隻眼でも孤児でもない。

☆ゲーラ

　元ベネゼエラの麻薬王。ラテンアメリカの麻薬カルテルの大元締めとして、麻薬だけではなく、政治、経済、軍事にわたりその影響力を拡大させた男。新宿にケシ畑を作り、アヘン、モルヒネ、ヘロインが蔓延した元凶でもある。反面スクラッチ後の混乱の極みを見せた新宿を武力によってまとめあげ、必要以上な略奪、殺戮、破壊を止め仮初の秩序をもたらした面もある。この時に作られた組織が新宿をその後支配する『ヌーベル・ルージュ』である。

モデルは映画『スカーフェイス』より。

☆山下一味　全員年齢は30代後半～

・エメリッヒ　格闘技、狙撃、バギー乗り。

・ローランド　銃器全般、バギー乗り。

　コンビを組んでいる。機獣相手より盗賊狩りなどの対人戦を得意としている。元々ソロ同士だった二人を山下がバギー乗り同士を引き合わせた。

　名前はローランド・エメリッヒ監督から。『インデペンデンスデイ』、『GODZZIRA』、『デイアフタートゥモロー』等々大作が多いイメージ。

・フランシス　マーシャルアーツと拳銃のミックス格闘技。ガンカタ。脳筋。

・フォード　軍用格闘術システマの使い手。腹パンされても蹴られても痛くないシステマ。脳筋。

・コッポラ　ナイフ格闘術、ドライビングテクニック。脳筋。

　軍出身。武装トラックで盗賊や山賊狩りが生業、というか趣味。軍隊時代、三人まとめて山下と格闘技の勝負をして手も足もでなかったことから子分に。その後ハンターに転身したトリオ。

　名前はフランシス・フォード・コッポラ監督。いわずと知れた『ゴッドファーザー』シリーズの監督。ディズニーのアトラクション『キャプテンEO』も実はこの人。

・トムエイツ　銃器格闘技全般にオルガン奏者。50歳後半。ハンター歴は長く大概のことはこなせるベテラン。ジャームッシュと組むまでは基本ソロで依頼によってはチームも組んでいた。いつもオルガンを弾くときはバーボンを目の前に置きチビチビ飲みながらやるのが好き。山下とは長い付き合い。

　モデルはトム・ウェイツ。シンガーソングライター、俳優。ロック、ブルース、ジャズを歌う。上記のコッポラや後述のジム・ジャームッシュの映画出演もしている。

・ジャームッシュ　銃剣術使い。サイドカー乗り。銃剣に並々ならぬこだわりをみせ、何十本ものコレクションがある。トムエイツと組んでいる最大の理由はそのオルガンを聞くため。

　ジム・ジャームッシュ監督。俳優。スタイリッシュで個性的、唯一無二な映画が多いイメージ。

・コルトレーン　イスラエル軍式格闘術クラブマガの使い手だが、何よりの武器はその機械化された身体そのもの。出力は山下にかなわないが、一瞬の機動力はこちらが上。セロニアスと組む

　ジョン・コルトレーン。サックス奏者。アルバム『マイ・フェイヴァリット・シングス』の楽曲は今でもテレビや映画などで頻繁に使用されるほどの名盤。

・セロニアス　銃器全般特にランチャーが得意。武装ミニバン乗り。コルトレーンと組んでいるが昔は四人組だった。他の二人は……　一人は酒の飲みすぎで頭がイカれてホテルの屋上から飛び降りて骨折って現役離脱。もう一人はチームの金を使い込みして逃走。軍資金に困っているところを山下に助けられ、逃亡犯も捕まえてもらった。

　名前はセロニアス・モンクから。ジャズピアニスト。音楽はムズい。

・ウォーターズ　格闘技、超振動ブレード二刀流の使い手。下記のデイヴィスと長年組む。初めは銃器を使っていたがしっくりこず、山下の薦めで使った超振動ブレードで切り裂くことに快感を覚え近接戦に趣旨替え。ちゃんと自制はできているのでご安心を。

　名前はマディウォーターズから。ブルースシンガー。ザ・大御所。

・デイヴィス　重火器による後方支援、ZIS-5というソ連製の軍用トラック乗り。ウォーターズと組む。中型クラスの機獣退治が専門。軍出身で山下とも付き合いが長い。

　名前はマイルスデイヴィスから。ジャズトランペットの帝王。現実ではコルトレーンとよくバンドを組んでいた。

☆新宿年少部隊

・イセタン　年少組の年長リーダー。13歳。実はシンディのことが気になっていた。名前は伊勢丹から。

・キャブ

・キャロウェイ

　名前はキャブ・キャロウェイから。ジャズシンガー、『ミニー・ザ・ムーチャ』が代表曲。

・ベル―シ

・エイクロイド

　名前はブルース・ブラザーズのジョンベルーシとダンエイクロイドから

・ローハイド

　名前は『ローハイドのテーマ』から

・ブルース

　ブルースから

・ゴマダレ

　ネタ切れで冷蔵庫のぞいた時に最初に目に入った物。

☆サロットル

　ヌーヴェル・ルージュ指導者。幼いころより独裁支配者としての英才教育を受け育つが、本来の組織設立の目的と現実との乖離に疑問を持ち、新宿を建て直すべく、主だった政敵の暗殺後、実権を握り住民を強制労働させ社会基盤の改善、外界との交易貨幣経済の導入を進めるべく死力する。ポーズとして女を侍らせていたが、本当に愛した一人の女性は権力闘争で亡くしている。酒も錫乃介達が侵入するまで飲んだことがなかった。

　名前の由来はポル・ポトの本名サロット=サルから。

☆タクトー

　ヌーベル・ルージュ最高幹部の一人。野心と権力拡大に躍起になっていたが権力争いで僅かにサロットルに及ばなかった。住民の歪んだ洗脳教育などもやっており無能というわけではなく、農学に明るく屋内農場設備や廃棄物処理などの循環型システムの維持管理拡大をこなしてきた側面もある。錫乃介ら侵入者に協力を求めようとしたことに激昂し銃を抜いた所を逆手に取られ、反逆者としてサロットルに銃殺された。

　名前は毛〇〇から。

☆エヴァ

　エヴァグリーン・エレストナ。女性居住区の管理を担当。サロットルの腹違いの妹。新宿は制度上幼少期から男女別々で育てられているため、家族や兄弟といった概念が希薄だが上層部には適応されないためお互いの存在を知っていた。周りからはサロットルの色だと思われていたが身の隠れに丁度良いとそのまま誤解させていた。

　ヌーベルルージュと新宿の復興発展に人生を賭したサロットルの意志を見抜き陰ながら協力していたが、歪んだ独裁制を兄自身が自らの死によって終わらせようとしていたのを防ぐためにクーデターを起こす。

　名前は洋楽バンドとヒトラーの妻エヴァ・ブラウンから。

☆アミン

　パミディ・アミン・ザバ。サロットルの護衛件秘書。ラオウ山下にも劣らぬ2メートルを超える体格の持ち主。不合理な住民虐殺をした幹部に怒り殺害する。その罪を咎められ死刑になりそうなところをサロットルの手によって助けられる。粗暴さはあるが正義感が強い。酒飲み。

　名前はウガンダのイディ・アミンから。

☆シェスク

　イオン・シェスク。食料、人口、通信、設備などなどの管理統括。文官として超忙しい人。淡々と職務をこなす傍ら、ヌーベルルージュの歪さに疑問を持っていた。とはいえ密告などで抹殺されるのも怖くなかなか口には出せなかったが、エヴァのクーデターにより覚悟を決める。ハードリカー好き

　名前はルーマニアのチャウ・シェスクから。

☆チャック・ドン・ボラス

　セメントイテンのハンターユニオン支部長。愛称はドンチャック。軍出身で山下の元部下であり悪友。荒事から謀までなんでもこなし今の地位を気づいたのだが、我欲のためというより荒れ果てていた街を発展させるという強い意志があった。今回の融資に関しても主人公を結果的に陥れてはいるが、新宿というまだ見ぬ街とその交易によるセメントイテンの発展のためという大義名分は決して表向きだけの理由ではない。

　名前は『ドンチャック物語』の主人公、ドンチャックから。