Eey
日向幸夢
Eey
__引っ張られて、生きていた。
ただ、そんな自分にもただ人生の中で一つだけ感情を欲するときがあった。
昔から色彩が黒白のモノクロテレビのようにしか写らなかった自身の瞳にもその情景は綺麗に
__もし、その人が恋人だったなら自分自身、変われただろうか。気付けばずっと、その事ばかりを口にしていた。感情の起伏が余りにもない自分は、これが
__でも、その人はもういない。同窓会に大してクラスメートに何も関わりは無かったものの、気付いたらその人のために
今でも同様だった。幼いときのように自分は未だに立ち直ることができず、その人のことを忘却出来ない。__せめて笑えたら、悲しくなれたら、どうして行ってしまったんだと嘆くことができたらどうだったらだろう。でも、この頃になって漸く感じることができた。
「君は向日葵のようだったよ。」
詩人では無いけれども、そんな事を思った。この言葉に感情は多分、その人の色々な個性が入っているハズだ。そして、夏になったら流石にあの人は理解してくれるだろうか、と僅か自分の口が弧を描くのがわかる。
__引っ張られて生きていた自分。昔も今も所詮変わっていない。それも悪くはない。
Eey 日向幸夢 @Hinatarinn
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Eeyの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます