第2話
「はーい、自分語りストップストップ!」
「はい?」
俺は痛みを感じなくなった首を持ち上げ、声の主を見た。いや、と言うかここどこ。
数秒前まで、俺は公園横の歩道でふらりと倒れたはず。そして野球の球を顔にめり込む程打ち込まれたはず。
え、ホントにここどこすか?
「その、情けない顔やめて。あと、頭の中だけで話さないで!ズヨミトリーは大変なんだから。」
「ズヨミトリー?」
「相手が頭の中で何を考えてるか、読み取る力よ」
「頭読み取りー、か笑」
「何よ、文句あるわけ?これは我々魔桃族に代々伝わる由緒ある術なのよ?」
「ま、まと?まとー?何?」
「魔桃族!まとうぞくよ!あなたもそうよね?大丈夫?」
「へ?いや、ちがいますよ。と言うか、あなた誰ですか?あと、ホントにここどこなんですか!?」
「おっかしいわねー、魔桃の仲間がきてるって、大叔父様から聞いて来たのに。あなた、本当に何もわからないの?そんな格好もしているのに?」
俺は自分の体をじっくり見てみた。
あ、あれだ、コレ。最近よく見る転生ものっぽいやつの転生後の人が着てる布を贅沢に使ってる魔法使いっぽいやつだ。
俺、すげー夢見てるわ。死んだな。俺死んだんだな。
「だーかーらー、ズヨミトリー使わせないで。ホント、すごい体力いるの。ね?わかる?話して、言葉で!」
「あ、はい。すみません。って、謝る必要ないよね。俺、なんでこんな格好させられてんの?怪我とかしてないわけ?あと、あなた、誰よ。誰なんだよ!」
「あ、わたし?わたしは魔桃族の首長の孫娘。モリシーよ。」
「な、モリシー。俺はいつからここにいるんだ?いつから俺を見ていた?」
「ええとー。多分、あなたはここの床に200年くらいはいたような。多分よ、多分。私だって正確には覚えていないのよ。」
「300年!?」
俺は夢を見ているのか?いや、もう人間じゃないのか?
事故る目醒める魔法使いになる 廿日 @5hatsuka
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