事故る目醒める魔法使いになる

廿日

第1話

振り返ってみれば、俺の人生はいつも真ん中より少し下にいた。

幼稚園では、みんなから嫌われてはいないけど特別仲の良い友達はいなかった。

小学校では、みんなから嫌われてはいないけど特別仲の良い友達はいなかった。

中学校では、みんなから(略)


勉強も普通より少し出来ないくらいだし、顔もブサイクとも言えないレベルのライン。何をどうみても、つまらないタイプ。

それが、俺。

山内平太だ。(名前もやばい)


が、しかし、今日をもって俺は平均以下から脱却することとなった。一躍有名人。

俺は、ウーバー○ーツのお兄ちゃんが運転する自転車に少しぶつかってしまったんだ。軽くよろけただけだったのに、つまづいたところに少年野球の心地よいバッティング音が響き、俺の頭にボールが直撃した。


自分でもわかった。首の骨が砕ける音が聞こえたんだ。


ああ、終わった。こんな死に方あるかよ。まだ人生15年。何が楽しかったんだ。父さん。母さん。こんな俺でごめん…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る