第8話 今すぐにでも

 雨を降らせる装置は問題なく起動した。もう日が落ちていてよくわからなかったが、煙の様なものが立ち込めて、私の住む町の空に登って行くのが見えた。

 雨が降り出すと、ツユは私の肩に手を置いた。そして気づくと、私は家の近くに立っていた。降る雨はか弱く、移動を終えて少しするとあっけなく止んだ。

 ツユはあの後何も言わなかったけど、家へと歩く私に少しだけ手を振ってくれた。


 家についてから、結果としてツユに家を教えてしまったことや、自分の都合で雨を降らせてしまったことに気づいたが、なんだかどうでも良かった。


 今すぐにでも寝てしまいたい気持ちだ。私が武器を向けた時、ツユも同じことを言っていたなと思い出す。心の奥がざわついて、なんだか胸が苦しくなった。

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