百合嫌い
それはまるで夜のボート
密室の船酔い
満ちて隅々まで
うっとりと咲くそれが
心底疎ましい
あの日、ふとかすめた花粉がコートを蝕んだせいで私は、ゆり、を恐れている。しずかに口蓋を開いてゆくさまも、ゆっくりと甘い息を吐くさまも、なにもかもが怖い。
だからその花を君に送る。互いの背中の地図をなぞり合って遊ぶ君たちの部屋を湖にするために。
こめかみが痛む
それはまるで夜のボート
「とても綺麗な曲だから聴いて」
という伝言に空返事をした
(その後は長い長い自慰のような後奏)
まだ、なにか言いたいか?
茜色廃園 理柚 @yukinoshita
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