第11話 どこにでもある幸せ

「どこにでもある幸せ」


どこにでもいるような娘が

どこにでもいるような男に恋をした

そして二人は

どこにでもいるような恋人になった


どこにでもあるような幸せを求めて

どこにでもあるような部屋を探した

そして二人の

どこにでもあるような暮らしが始まった


どこにでもあるような幸せだった

しかし二人は

もっと幸せになりたいと思い始めた

どこにでもあるような幸せが退屈になった


それからの二人のこと僕は知らない

どこにでもある幸せはどこにも見あたらなかった

もう二度と取り戻せなかった



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君を想う秋 詩川貴彦 @zougekaigan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る