異世界治安委員会

第1話：新たな世界へ

　ここはこの世に存在するすべての世界を統治している場所、神界。

「今日はこの世界で仕事か......」

俺はシェラ。神界、その中でも異世界治安委員会に所属している神だ。簡単にこの委員会の紹介をすると、異世界の平和を守ることが役目だ。内部的な問題、外部的な問題どちらも含まれる。言ってしまえば『なんでも屋』ってところだ。そして、俺の担当は異世界に潜り込み、内側から問題の処理に当たることが役目だ。まあ、これには様々な危険が付きまとうが......この話は後々。一番厄介なのが俺たちと同じ神による干渉だ。俺たちはすべての現象に干渉できる、森羅万象の存在。その相手となると、さすがの俺でも苦戦する。

　......っと、そろそろ仕事だの時間だ。

「気をつけてな」

　同僚のラズがいつもの言葉をかける。俺はしずかに頷く。その瞬間俺の体は数えきれないほどの粒子えと姿を変えると同時に意識も途切れる。異世界へと転移する準備だ。次に目を覚ますと異世界である。