あなたは鏡の外側に 解説

『あなたは鏡の外側に』をご覧頂き、ありがとうございます。普段あまり自分の小説の解説はしない方なのですが、今回はいつにも増して訳の分からないものが出来上がってしまったと実感したので、「これは解説がいる小説だ!」と、急遽(?)解説欄を設けました。


 基本的には本文に出てきた順番に、伏線だったり言葉の意味だったりを述べていきます。興味のある方はぜひどうぞ!


《主な伏線》

 佐藤は個性が強めなキャラ。これといった特徴のない『かなた』とは、特に対照的なキャラですね。というより、ほかの登場人物はみんな個性があります。


 鈴木は『かなた』には謝罪せず、高橋には謝罪した。

 →差別や虐待。


  はは。意地悪を言ったね。そうだよ。彼は寝ていた。

 →語り手は、主人公がはっきりと分からないことが分かる。

  →神?


 鏡の向こうが本当の世界なんだって話。

 →鏡の向こう(鏡の外側)

  →ここでタイトルが関係する。『君』は『かなた』であり、『あなた』はあなたです。そう、読み手です。


《解説》

 もうお気づきでしょうか。佐藤、鈴木、高橋、伊藤。日本でよく見かける苗字ですよね。さらにほかの登場人物は、みんな苗字なのです。主人公である『かなた』だけ、名前です。さあ、ここで『かなた』を逆から読んでみましょう。


 ……たなか。田中です。


 田中もよく見かける苗字だと思います。この作品の本当の主人公は田中であり、田中があなたの分身です。『かなた』はあなたとは真逆の存在だと思ってください。

 それから、登場人物の誰も『かなた』の名前を呼ばなかったのは、作品の中での意味は、本当はかなたではなく田中なのだということ、そして裏の意味は、『かなた』は役割の名前であるということです。あなたの『真逆の』分身、という役割の、ね。


 この作品のメッセージ。

・あなたはつまらない人間じゃない。あなたには個性があって、悪い所もあるかもしれないけど良い所もちゃんとある。それに自分自身が気づかなくてはならない。

・誰かに用意された道をただ歩き続けるだけじゃなく、時には自分の意思で道を開く必要だってある。

・嫌なことがあったら、それを伝えていいんだよ。我慢しなくちゃいけないなんて、そんなことは有り得ない。


 全てを語ることはしません。そんなことをしてしまうと、面白味が無くなります。まだ細かい要素が潜んでいるので、もし良かったら探してみてください。

 それでは次回の更新まで、さようなら!

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宝箱(一話完結型短編集) 樹暁 @mizuki_026

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