樹暁

何処からか、歌が聞こえてくる。 紫色の砂漠、桃色の空。眩しくない太陽が照らす世界が異様であることを、怪物は気付くことが出来ない。いつからそこに居るのか、どこからやって来たのか。そ…

キラキラ光る宝石を、ハイアライトは飲み込んだ。 それは美しい宝石になって母に食べられる為。母の糧となる為に。宝石化が進みキラキラ光る指先を見て、ハイアライトは微笑んだ。

「さようなら、マスター」

　これは、子供の宝箱。ガラクタや石ころだって、子供にとってはキラキラとした宝物。 　くだらない？　まあまあ、そんな事言わないで。もしかしたら、あなたにとっても魅力的な宝物が、眠っ…