第2話

「これは俺の勘だがな...。

てか、前にテレビで見たことあんだよ。

マスクをしてる女はな、大抵、自分の顔にコンプレックスを抱えてる」


「例えばそれは、フェイスラインだったり、

二重顎だったり、そうだな、鼻が低かったり

するんだろ?とにかく見せられねぇんだよ。

堂々と顔出し、できねぇんだよ...!」


「実際、テレビで特集されてた、マスク女は

出っ歯をずっと隠してた...!」


「うーん。でも、あいつがそうやってなにかを隠してるとは限らないし...」


俺は続けて言いかけた。


「それにな...」


「それに?」


「あいつ、って言ってて、今のいままでの会話のなかで名前で呼んでないわけだけどさ、

その、あいつ、真島マヒロの顔がどうであれ、

俺は好きだな...」


「かーっ、なんだよ、それはつまり

可愛くなくてもいいってことだな...!」


「まぁ、そういうことになるな..」


「さっきも言ったけど、お前ほどの男前なら

美少女と付き合えるだろ?その方が、

街歩いてても変じゃないし...」


「外見はどーでもいいとか、悪くてもいいとか、お前さ、どんだけ心優しい男よ!!」


「俺は嫌だね、見た目の悪い女なんて!

死んでも付き合いたくない!」


「俺は中身の方が大事だな...」


「言ってろ、、、!真島マヒロのマスクの下が、酷ければ、シンジも、やっぱ、ないわー、って思うわ!!きっとそうだよ...」


俺の友達のリョーヤは拳を握りしめ、そう高らかに宣言してみせた。


それから、


「お前に言いよってくる美少女なお前の幼馴染の林ユーコと付き合えばいいのに。

馬鹿だなぁ、って思うよ...」


「いや、俺はあいつのことは

幼馴染だとは思ってるが、恋愛対象じゃない」


「あいつは見た目はいいけど、

性格が好きじゃない。お前が知らないだけで、

あいつは気に入らない女子を陰でいじる、

いじりっ子女子だ...!」


「そ、そーなの!?そんな風に見えないぞ」


そんな会話をしてたら、

噂をすれば、何とやら、で。


林ユーコが、重い扉を開けて屋上にやって来た。





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学校一の陰キャ女を好きになった→だが、マスクの下は1万年に一人の超絶美少女だった。 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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