第11話 目が覚めたら昔のレーサーレプリカになっていた

カチツ!!

メインキーをまわされたと同時に目が覚めた

グンッ!!とキックスターターを踏み込まれて

心臓が目を覚ます

パパッパッパンパンパンッパッパッパパンパンパン

今では数も少なくなってきた2サイクルの甲高くも魅力のある

排気音、排気の匂い

懐かしい!!懐かしいよ!!

実はこの車両にならないかな?と思っていた時があったんですよ!!

H社の88年式の伝説のあれですよ!!

あの暴れん坊将軍というかじゃじゃ馬ですよ!!


一人でハイテンションな状況で浮かれていたら

暖気もそこそこに体が動き出す


あれ?乗ってるのはヒゲ親父じゃねーかよ!!

まぁ、そんな事はどうでもいいな


甲高い排気音を奏でながら人里からどんどんと離れていく

交通量も少なく、朝日が非常に眩しく感じる

前後のタイヤも十分に温まってきて、道も程良いワインディングになってきた

左のR60と書いてあるのブラインドコーナーを抜け

右のR100と書いてるコーナーを思いもしない速度で駆けていく


あー、やっぱりバイクってこうやって走るから良いんだよね

ヒゲ親父もオフなのかわからんが気持ちよさそうに車両を操作していく


後ろからも最新のスーパースポーツ車が来てもヒゲ親父は道を譲る

あくまでも自分のペースで楽しみたいんだろうな

他人は他人 自分は自分

ちょっとは見直したぞ!!と思ったのも束の間



パアアアアアアアアアアアアアアアアンンンン!!!



抜かれたと同時にシフトダウン、アクセルをワイドオープンにしやがった!!


一気に戦闘体制

コーナ前にはフルブレーキングでサスペンションはフルボトムする

フロントタイヤに至ってはスキール音がしそうな位のブレーキ

ブレーキリリースと同時に体は倒れていく

タイヤの端は熱を持って溶けていく感覚がある


いや?ちょっと待ってよ!!

ねぇ?ここ公道よ??

ねぇぇっぇぇぇぇってばぁぁぁっぁあぁぁぁぁ

いやああああああああ!!!!

ああああああああああ!!!

ぎょええええええええええ!!!

いや、膝が限界だからあああああああああ!!

靴もなくなるううううううううううう!!


きゃあああああああああああああああ!!!!

心の叫びとは関係なく心臓エンジンは元気に動く


目の前にはR30と書かれた看板のある左入り込んでいく急カーブ


絶叫している最中にそいつは視界に移った


リス!!リスがいるよ!!!


あ!!!こっちにこないでダメッ!!


いやこっち見んな!!


嫌な手ごたえがあったと同時に視界が横を向く


体はアスファルトに叩きつけられて滑走していく


滑っていく先にはガードロープ


あ、駄目だこりゃ・・・・・・・


ゴスッ!!!!


ロープと地面の間に挟まったと同時に意識がなくなった



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目が覚めたらバイクになっていた(仮) エリリ727 @eriri0727

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