最終話 最高の仲間



 丸一日かけ、街へ戻ってきたディリス達は病院に居た。

 そこで医者にブレイジングメアの角を手渡してから、三十分ほどが経った頃。


「ディリスさん! こちらへ!」


 医者に呼ばれたディリス達はエリーゼの治療室へと入る。


「お兄ちゃん!」

「エリーゼ!」


 ディリスはエリーゼの元に駆け寄り、思い切り抱き締める。

 それに応えるように、エリーゼも強く抱き締め返した。


 腕に力が込められている。

 ここ二週間、感じることのなかった強い力だ。


「エリーゼ。調子はどう?」

「絶好調だよ! 咳も出ないし、今ならご飯も食べられそう!」


 それを聞いたディリスは医者のほうへ顔を向ける。

 すると、医者は一度大きく頷いてから、笑顔を浮かべて口を開いた。


「エリーゼさんは完全に快復しました! もうご帰宅頂いても大丈夫です!」


 その場に居た全員に、笑顔の花が咲く。


「よかったな! ディリス! エリーゼちゃん!」

「あっ、ファインお兄ちゃんだ! それにルーナお姉ちゃんとララお姉ちゃんもいるー!」

「久しぶりね、エリーゼちゃん!」

「しばらく見ない内に大きくなりましたね!」

「エリーゼ。みんな、エリーゼのために頑張って薬を手に入れてくれたんだよ」

「そうなんだ! ありがとう、ファインお兄ちゃん! ルーナお姉ちゃん! ララお姉ちゃん! お兄ちゃんのお友達は本当にいい人だねっ!」

「うん! 最高の仲間達だっ!」





 それから半年後。

 ディリス、ファイン、ララは会議室に集い、ルーナが来るのを待っていた。


「ごめーん、遅れちゃった! それで? 話って何?」


 首を傾げながら言うルーナに対し、ディリスは真剣な面持ちで口を動かした。


「ルーナ。悪いが今日をもって、<慈愛の剣>から抜けてくれ」

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突然パーティーを追放されてしまったけれど、それは全て僕のためだった 白水廉 @bonti-

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