Session1-4 追跡調査
GM:君たちは、〈雀のお宿亭〉をあとにする。
グランゼールの入門地区を迂回し、メインストリートを東へ。冒険道具街区を1時間ほど歩いたところで南へと曲がっていけば、国外へと出られる門が見えてくる。日差しの下、多くの商人や冒険者が行きかう路だ。
オルフ:流石に衛士の人に会うときは軽く角を隠していよう。
シンカイ:ミートゥー。バンダナ、というていの髪飾りがあるのでソレで。
シュシュ:「ジャンくん、今は戻っておいてね」ジャイアントリザードを契約証に戻します。
GM:近場には『コルンウッド装具店』という、魔法の品を扱う有名店があることもあり、おそらく多くは冒険者だろう。とはいえ、さすがに『新市街区』には及ばない。門付近の迎撃施設も最低限、といった形で、見える衛士の数も4人ほどだ。
君たちはその衛士に、依頼を受ける旨を伝えることになるだろう。
オルフ:「さ、て……えー……。……アルクトス、お前が頼りだ」
アルクトス:「おい」
オルフ:「俺とシュシュ、シンカイは種族柄がある。イスデスはイスデスだ。ぶっちゃけあんま相性が良くない」
シュシュ:イスデスなら仕方ない。
イスデス:評価定まるの速くないですか?
GM:まあ穢れ持ち(オルフ)+穢れ持ち(シュシュ)+穢れ持ち(シンカイ)+希少種族(イスデス)だからね……。
アルクトス:ハイマンも基本希少なんだぞ!!
シンカイ:「貴族証ならここにありますよ?」と取り出し……あっていいのだろうか。
GM:あっていいぞ!
シンカイ:やったあ。もんどころがあります。
イスデス:「ンンンー? 拙は? 拙は?」
オルフ:「まあ、最初に話しかけるならアルクトスが良いだろう……くらいだ。」シンカイイスデスをスルーしつつ。
シンカイ:むう。頼ってもらえなくてふくれっ面。
オルフ:「宿では貴族でも平等に~、って言われただろ」と言いますが、貴族のおまけじゃ意味がないっていうめっちゃ自分本位な理由のあれです。
アルクトス:「はぁ……仕方ない」じゃあ、とりあえず先頭で手続きとか必要なら代表してやろう。
GM:衛士たちの様子はというと、あまりやる気があるようには思えない。城壁にもたれかかってあくびをしていたり、あるいは雑談に勤しんでいたり。ほかの国の兵士たちと比べれば、練度も態度も格段に落ちるだろう。
アルクトスが近づくと、「おっ、冒険者か」といった気さくな様子で対応されるよ。
シュシュ:「(衛士さん……ひっ……! 武器、腰に下げてる……)」当然である。
アルクトス:「ああ、依頼で田園地帯に少し用があるのだが」
GM/一般衛士:「ああ、今朝がた出した依頼の件か。両方引き受けてくれるのかい?」
アルクトス:「そうだな……一応、余裕があれば両方片付けるつもりだ」
GM/一般衛士:「了解了解。んじゃ、こいつが前金と割り符だ、頼んだぜ」
衛士たちは手早く……面倒そうに、ともいいますが、君たち1人あたり100Gの前金、それと依頼を受けていることを示す割り符を配っていく。
アルクトス:「確かに。野盗やダンシングソーンについて、何か情報はないか?」
GM/一般衛士:そうだな。では、「そういえば、野盗が根城にしてるって場所……旧街道なんだが、シュウェーヌ川のつり橋付近だって言われてるんだよ」と、この門から1時間ほど東に歩いた場所にある、森を指す。
イスデス:「吊り橋。何か
GM/一般衛士:「
シュシュ:「待ち伏せ……ですか。怖いですね」
オルフ:地図と照らし合わせて確認しておこう。
アルクトス:「シュウェーヌ川の吊り橋か……助かった。これで仕事帰りに何か飲んでくれ」10G渡しとこう。
GM/一般衛士:衛士は10Gを笑顔で受け取り、君たちを見送ってから、また雑談や昼寝に戻るだろう。
シンカイ:職務怠慢ではなくて?
GM:グランゼールはほとんどが冒険者任せの国で、衛士の仕事は乱闘の取り押さえや現行犯逮捕くらい。もめ事の解決には手を出しませんから、これが日常茶飯事です。がんばって俺たちをだらけさせてくれよ冒険者!
イスデス:なんて人だ! 同類!
シュシュ:同類(笑)。
オルフ:なんて犬だ……。
冒険者たちは受け取った前金を手に、門の前の露店で<救命草>を5つ、<魔香草>を3つ購入し、まずは行動が読みにくい野盗の捜索に移ることにしました。
現在の季節は6月。グランゼールは次第に暑くなっていく時期で、以下のような設定となっております。
https://kakuyomu.jp/works/16816452220454467991/episodes/16816452220495541094
GM:時刻は昼を過ぎ、14時ごろとなるだろう。衛士からの情報をもとに、シュウェーヌ河沿いの旧街道を進む一行。渓流の音が大きく響き、鳥のさえずる声はそれを中和させてくれる。
シュシュ:必要以上に周囲をキョロキョロしながら進む。
オルフ:街を出ると同時に角はあらわにし、少し清々しそうにする。宿の中でも隠していなかったし、隠す事がストレスになってるかな。
イスデス:「やぁ、良い景色だ。こんなところに盗人がいるとは思えないね」
GM:野盗の痕跡がどこかにありそうだ。目標値9の探索判定をしてもらおうかな。あ、屋外です。
アルクトス:(ころころ)……よし、成功した。
GM:ほう、調子がいいな。平目勢も全員成功だ。
その舗装されていない獣道のような街道に、複数の足跡が着いているのを発見する。
シュシュ:「ジャンくん、どうしたの? あれ、これって……」
イスデス:「足跡か。こうもわかりやすく着けてもらえるとありがたいものだ」
シンカイ:「複数に御座りますね」左手を剣の柄に当てながら屈みこんでみる。
オルフ:「1人、2人……複数人いるのは分かるが細かい人数の判別までは難しいか?」
GM:隠す気配もなく、それらは街道に沿って続いているだろう。
道中には……戦闘の跡。争ったような乱雑な足跡が多数と、布の切れはし、わずかな血痕。
アルクトス:「一仕事終えた後か?」
オルフ:「分からん、が。追うぞ」
イスデス:「オーライ。尾けてみようか」
シュシュ:「……は、はい。お供させていただきます」
GM:では、続いて足跡追跡判定を。目標値は11だ。
オルフ:(ころころ)……自動失敗。見失いました!!!
シュシュ:稼ぐ。
アルクトス:初めてのピンゾロおめでとう。こっちは出目3でした。惜しい。
イスデス:(ころころ)成功。「ふんふん、匂いからしてこちら側……」
GM:シンカイとイスデスが成功かな。
足跡を追って行けば、なるほど衛士の言っていた通り、渓流にかかる吊り橋が見えてきた。橋を渡ったようだね。隠蔽を行った痕はない、と感じる。
シュシュ:「も、申し訳ありません……! 私が見落としを……!」
シンカイ:「こちらで見つけられたから構いませんよ。この先です」
GM:吊り橋は、旧街道ということもあって全く整備されておらず、誰かが傷つけた痕跡もありぼろぼろだ。
こちらには、目標値10の見識判定を行ってもらおうかな。
イスデス:(ころころ)よしよし、成功だ。
シュシュ:イスデスさんが頼りになる。
オルフ:ひょっとしてこのあぬびす、優秀なのでは?
シンカイ:技能構成がそもそも優秀ですよ。
アルクトス:(ころころ)こっちも大丈夫だな。
GM:アルクとイスデスは、このつり橋自体はまだ渡れるものだとわかるだろう。かなり昔のもののようだが、すぐに壊れるような気配はない。
ジャンくん(シュシュ):ジャンくんが足を少し踏み入れてみる。
GM:ぎぃ、と軋む音とともに、わずかに橋が揺れるだろう。
シュシュ:「ひ、ひいっ……ちょ、ちょっとジャンくんストップ……!」
GM:シュシュは、そのまま異常感知判定してみようか。目標値は11。
シュシュ:(ころころ)成功! ……【探索指令】なので、気づいたのジャンくんだわ。
GM:シュシュ……の騎獣のジャイアントリザード、ジャンくんはとっさに気づくだろう。吊り橋の中間付近に、何やら細い糸のようなものが、足元付近に張られている。
アルクトス:「ん? どうした?」
シュシュ:「ジャンくん……? あっ……! みなさん、あそこ……何でしょうか。」
イスデス:「……む。糸か。匂いでは気が付かぬ訳だ。」
GM:その細い糸をたどっていけば、その下には鈴のようなものが何個もまとめて束ねられており、糸に引っかかると大音量で鳴るようになっているようだ。いわゆる鳴子の罠が仕掛けられているね。
橋付近に隠蔽工作がなかったのも、警戒させずこの罠にかけるためだったようだ。
シュシュ:「ジャンくん、お手柄だね」干し肉の欠片を与えて。
シンカイ:「鳴子の類ですか。越えますか、切りますか?」
イスデス:「もしくはあえて鳴らして、待ち伏せていると思っている奴らを逆に待ち伏せるか……」
GM:罠に気をつけて乗り越える、あるいは罠を解除する、わざと鳴らしてみる……などなど、いくつかの方法があるだろう。
乗り越える場合は全員、目標値6の軽業判定を。
罠を解除しようとする場合は目標値11の解除判定を行ってもらおうかな。わざと鳴らすなら、判定はいらないよ。
シュシュ:「わざと鳴らす……ですか? それはちょっと怖い……ですね」
シンカイ:「どうせ鳴らすのであれば、解除してしまっても良いかもしれませんね。」
シュシュ:うーん、今解除一番高くて4だよね? リスキーかな。でも軽業も全員がとなると……。
GM:解除判定は、2回連続で失敗すると、罠が作動してしまうものとします。
同じ人が行っても、別の人が行っても、合計2回目の失敗で作動ですね。
オルフ:んじゃ、とりあえず1回挑戦してみるのもアリかな。外した鳴子を投げても多分おびき寄せられるし。
シュシュ:「オルフ様、お気をつけて」
イスデス:「焦らず騒がず慎重にね」
アルクトス:じゃあ、その間に火縄壺で煙草に火をつけてます。すぱー。
オルフ:そっと近づいて、ツールを用いて鳴子が音を立てないように切断を試みる。(ころころ)……よし! 13で成功。
GM:オルフは問題なく、無音で仕掛けられた罠を取り外すことに成功する。他に仕掛けられた罠はなさそうだ。
オルフ:良し。鳴子回収して戻ってこよう。
アルクトス:「手際が良いな」香草を調合した、不思議と臭くない煙草を吸っている。
シンカイ:「流石オルフですわ。……さて、このまま乗り込んで奇襲するか、それとも橋のこちら側で待つか……」
シュシュ:「ジャンくんは、もう罠はないって言ってます。多分……」
GM:橋付近は見通しが良く、隠れるのであればもう少し奥側だろう。橋を超えた先は、道がさらに3方に分かれているのが見える。
オルフ:「攻めに一票」乗り込みかなぁ。
イスデス:「踏み込んでハック&スラッシュ。冒険者とはかくあるべしと」
シンカイ:「右に同じく。『まず勝ちて、しかる後に戦いを望むべし』、と師より教わっております」
シュシュ:「……み、皆様に従います」
オルフ:「考えがあるなら言えよ。お前は別に誰かの部下じゃない」
シュシュ:「……いえ、ただ私が怖がっているだけにございますから」
GM:では、君たちは軋む音を立てて吊り橋を渡る。高さは5m強といったところでそれほどでもないが、水の流れる音が恐怖心をあおるだろう。
アルクトス:「まあ、行くなら行くぞ。私の体力が尽きる前に」歩き煙草しながら橋を渡ったあと、踏み消して内ポケットにしまいます。
GM:3方に分かれた路には、足跡がまだ残っている。こちらは隠そうともせず、川から垂直に、奥へと続いているのがわかる。
オルフ:追っていくか~足跡~~。
GM:では、次のマップへ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます