季節のお知らせ:6月

"炎の料理人"エミディオだ。6月のグランゼール周辺について、教えておこう。


6月には気温が段階的に上がっていく。中旬以降になれば30度を上回ることもあるだろう。

5月から出現していた小川クリークは下旬近辺で干上がり、シュウェーヌ川の水量も元に戻る。本格的に暑さ対策が必要となるだろう。風通しのよい服装にし、水筒や水袋は常備しておくように。金銭面に余裕があるならば、冒険にも役立つサーマルマントを用意すると良いだろう。

最低気温は15度弱、といったところで、夜に冷え込むということも無くなるな。


初夏の代表的な味覚といえば、シュウェーヌ川にて釣り上げられるアユスイートフィッシュだろう。

濁りが多い川のアユスイートフィッシュは胃に泥を多く持ち、食味にも泥臭さが出るが、この時期のシュウェーヌ川産のものであれば、ディガッド山脈から流れ出る栄養豊富な水により、清涼感のある味わいとなっている。

その名の通り、塩焼きにすれば甘みのある香りが立ち、蓼酢や蓼味噌を添えれば極上の一品だ。……ああ、こちらもトラウトと同様、生食はしないようにな。

海ではイサキチキングラントが旬となっている。白身で、サクラダイブロッサムスナッパーよりは柔らかくて脂肪が多い。

刺身・焼き魚・煮魚・唐揚げなど、いろいろな調理法があり研究のしがいのある魚だ。

グランゼール周辺の畑では、トマトやナス、キュウリやインゲン、それからカボチャ……などなど、

おそらく君たちにとって馴染みの深い野菜が収穫時期だ。農場が忙しくなり、蛮族の襲撃へ警戒も必要になるだろうな。

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