第16話 涼香の過去  ※少しだけ暴力表現を含みます

意識が暗闇に溶けていく中

私は、過去のことを思い出していた


私は、小学生のころ、いじめられっ子だった

父親がいないからって、みんなしていじめてきた

先生だって、無視してた

そんな、思い出したくもない私の過去




「すずかちゃーん、一緒に遊ぼーよ」


放課後、遊びに誘ってくる子がいた

でも、一緒に遊ぶと言っておいて、その実態は、

ただの集団リンチだった


だから、行きたくはなかった


「い、いや、ごめんね、今日は用事が、、」


その頃の私は弱虫で、意気地なしだった

口調だって、普通の女の子だった


「はぁ?なに?あたし達にたてつくわけ?

 父無しのアンタにそんな事言うなっての、キャハハ!」


断っても、無理やり引きずられて連れていかれた


「みんなー、連れてきたよお」


毎回集まるメンバーは同じだった、

女の子も男の子も、兄を連れてくる人だっていた


今考えると、その子もその子だが、兄も兄だったよな


もう、この先は思い出したくもないが

少しだけ、思い出してみる


蹴とばされて、殴られて、

その間に、私は無心の中、考えていたんだ、

どうしたら、もういじめられないか


その日は飽きられて、家に帰された後も考えていた

そして、思いついたのが


、だった


だから私は弱弱しい口調を男性風に変えた

あくまで風だから、自分でできる範囲だったが


だけど、考え方だって変えて言い返せるようにした


そうしていくうちに、段々といじめは終わって

中学生に上がる頃には、いじめなんて跡形もなかった


残ったのは、だった

今更元の自分に戻ることは出来なかった


初めてできた友達が離れていくのが怖かった

だから、元の自分に戻れなかったんだ


これが私の過去

小学生の頃は、私にとって、消し去りたいくらい辛いんだ


そう思ったとき、私の意識は途切れた


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狼さんを見つけ出せ 稲見 琥珀 @ineri-hu

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