第2話 中学生ぶりのはじめまして。




私の通う資格の学校は、毎日授業はあるものの、通っているのは社会人なので、週に一回、同じ曜日に同じ顔ぶれが揃う。






私は平日休みなので、人数も少ないらしい水曜日の生徒




渡瀬も、水曜日の人らしい。




私には、1人だけ女の子の友達ができた。




一見怖そうに見えるぐらい綺麗な、波長の合う優しくて話しやすい子




南雲 梨奈(なぐも りな)




週一の授業でしか会ってなかったが、数ヶ月経って、プライベートでも遊んだり、授業の後飲みに行ったりする仲に




梨奈「かーほー。

今日暇???終わったら飲み行かない?

もぅ肩凝って背中吊ってしにそう」




『梨奈おはよ、

いいよ、行こう。ほんと学生の頃はなんであんな座ってられたんだかな』





いつも通りの中身のない会話。




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授業終了

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梨奈「もーむり、つかれた。やっと終わった」





??「あれ、南雲?」




誰かが梨奈を呼び止めた





梨奈「はい…って、ええぇ!!

生田!?うっそひっさしぶりすぎ何してんの!!」




そこには生田と呼ばれたアイドルみたいな高身長イケメンが。



色も白いし、髪も茶髪がよく似合う




生田「いや授業だろwww

あ、ごめん友達と一緒だった?」





梨奈「あっ、うん、ともだちの山内果穂!

今から飲みに行くところ〜」





生田「え、まじか!

よかったら一緒に行かない?俺も友達と飲みに行く約束しててさ!ここの生徒の奴だから、お近づきに!」




梨奈「あっ、そーなんだ!

果穂、どう?」




梨奈は心なしかいつもより明るく楽しそうだ。きっと久しぶりの再会で盛り上がってるんだな



『いいよ是非!』



あんっなにイケメンと出会えるなんてラッキーだしね。笑





生田「駅前のアサクサってゆー居酒屋が美味いんだよ、そこでいい?」



トントンと、話も進み、お店で集合することに。





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私と梨奈の方が先にお店について

2人で待っていた




梨奈「生田とはさー高校の同級生でさ〜!もぅモテモテだったんだよちょーイケメンだし、超いい奴だからさ!!」




『ほんと、イケメンだったね。

モデルとかできそう』




梨奈「んねぇ、やったらいいのに

同じグループでずっと仲良かったんだけど最近会わなくなってたから感動〜笑

…っあ!生田達きた!なんかまたイケメン連れてる笑笑」




生田「お待たせ〜!」




その横には、そう。


渡瀬 陸がいた




一瞬、パニックでどうしていいか…



が、




渡瀬「渡瀬です、はじめまして」




クールな挨拶。

しかも何も動じていない。




もしかして、

私気づかれてない?




梨奈「初めまして〜!南雲梨奈です」



『あっ、山内果穂で…す。』



生田「生田海斗です、よろしく」




渡瀬「あ、渡瀬陸です、どーも。」




私たちは4人で他愛もない会話をしたが、私が意識しているせいか、私が彼と直接話すことはなかった。





梨奈「ねー2人は彼女とかいるの???」




少し酔っ払った梨奈が2人に聞いた




生田「俺最近別れちゃったんだよね〜。

浮気されちゃってさ笑笑」




果穂『こんなイケメンがいても浮気する人いるの!?』




生田「しかも相手50歳のおじさんでさ、何なら奥さんいる人で…

その人のこと本気なんだって言って振られちゃったんだよ笑笑もードラマ。」





梨奈「え…えぐすぎ」





渡瀬「お前見る目無さすぎww」







私ばっかり意識してしまって馬鹿みたいだ。




生田「まぁね、

渡瀬も彼女いないよな!

2人は?相手いるの?」





梨奈「2人とも居ないよ〜もー出会いがあったらすぐ行く!って感じよ全く〜」





果穂『わたしは〜今はあんま興味ない。かもなぁ笑』





生田「えーまじかぁ、でも果穂ちゃんモテそうだよね。同僚とかといい感じだったりしないの?」





果穂『同僚ねぇ笑そんな感じにはならないな〜』





梨奈「あ、でも!そー言えば果穂ストーカーどーなった!?!?」




生田・渡瀬「え!?ストーカー?」




2人は深刻そうな顔をした




果穂『あ、いや、ストーカーってそんな言い方笑

ただ告白してきた人からのLINEがしつこいってだけで!実害とかないからっ!!!心配しないで!笑』





梨奈「でもほんっっとに気持ち悪いんだよ!!」





果穂『まぁね笑笑』





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そして、それから数時間して、終電もギリギリになった頃、




果穂『ちょっと梨奈〜大丈夫??』




梨奈はお酒に弱く、すごーーく眠たそうにしていた。




梨奈「うーん…」




果穂『ちょっとー、終電でしょ???』




生田「南雲は俺が送ってくよ。高校の同級生だから、家の方向同じだろうし。逆方向でしょ?俺タクシー使っちゃうからさ!」





そう、私と梨奈の家は反対方向に30分ずつぐらい、



私の家までこの状態の梨奈を連れて帰ることはできそうにないし



生田くんはまぁいい人だし、


梨奈の知り合いだもんね、




果穂『じゃあ。ごめんね、お願い…』







そう言って2人はまた飲もうね〜と、

タクシーに乗って帰っていった。






渡瀬と2人…





いや、渡瀬は私に気づいてないし!平常に。





果穂『いや〜生田くんて、あんなにカッコよくて紳士で優しいなんて、ダメな部分なんてあるのかなぁ』





渡瀬「あぁ…すげぇいい奴だよ、


送っていく。」




この何ともクールとゆーか、ぶっきらぼうな感じ、そこがキュンキュンしてたなぁ…




果穂『あ、え、いいよ!大丈夫!ありがとうね、』






2人で歩いて駅に着いた頃、





果穂『え…』





一瞬目を疑った。




渡瀬「どうした?」





渡瀬は不思議そうに私の顔を見た




なんだか、今日初めて目があった気がする…




どうしよう。




そこにはさっき、LINEがしつこいと話していた隣の部署のストーカーの加藤さん、



でも、話しかけられても居ないし…




渡瀬に話すにも、もう少し近寄って小声で話さないとだし…




渡瀬「最寄りって近衛だったよな」




フリーズしてる私を我に帰らせるように渡瀬が話しかけてきた




果穂『え、あ、うん、そ…う』




渡瀬「俺の二つ前、電車来るよ終電。」





私たちはバタバタと電車は駆け込んだ。




電車は割と満員で、人が動くのは大変そうな混み具合、





加藤さんも駆け込んで、隣の車両に乗り込んだところまでは見えたけど、

まさか…ね。




渡瀬「ねぇ、本当に大丈夫?」



果穂『あー、うん、ちょっとお酒まわっちゃって、疲れちゃったのかも笑笑』






しばらく電車に乗って、



私の駅に着いた、




わたしは足を動かさないまま、隣の車両から、加藤くんが降りてくるのを見た




どうしよう…




降りれない




渡瀬「山内?」




その間にドアは閉まって電車は発進してしまった。




私は目が合わないように顔を背けた。




渡瀬「おい、降りなくてよかったの?」




私の心臓はバクバクしていて、これが、怖いって事なんだ。と、しみじみ




果穂『それが…さっきの電車…ストーカーって話してた人が乗ってて、いや、実際にストーカーされたりはされてなかった…はずなんだけどその…私の最寄りで降りてって…』




渡瀬「まじかよ」



何も言えない、と言った顔をしていた






そのまま二駅先の、渡瀬の最寄りに降りた




果穂『あはは、ごめんね、今までもあったのかな気づかなかっただけで💦

ごめんね、私タクシーで帰るからっ!!心配しないで!」





渡瀬は真顔で私の顔をみて、




渡瀬「うち来る?いえ待ち伏せとかされてたら大変だろ、別に何もしないから。」





そう、今からタクシーで帰ったって家の前で待たれていたら関係ない




でも…渡瀬の部屋…?




いやいやいや。気まずすぎる





渡瀬「とりあえず、一旦時間おくにしろうち来いよ、駅から近いし」




私が迷ってるのを見かねてか、渡瀬の提案に乗ることにした





果穂「あの…ごめんなさい…」




渡瀬「別に良いよ」





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駅から数分歩いて着いた渡瀬の部屋は


いかにも男の人の部屋っぽくて、あまり物もない、たまにワンピースフィギュアがいるのが少し可愛く感じてしまう。




渡瀬の部屋に入ると、さっきまで周辺を気にしながら歩いていたことから解放され、



ほっと安堵した。





果穂『少しだけ、お邪魔します…』





私と渡瀬は順番にシャワーを浴びてから、

部屋に腰掛けた





何を話せば良いかわからない不穏な空気が流れる




何か話さなきゃ




すると、




渡瀬「なぁ、俺ずっと謝りたかったんだよ。」





果穂『…え』





渡瀬「悪るいとおもってたんだけど、話せるタイミングがなくて」




驚いた





果穂『私の事わかってたの?』





渡瀬「当たり前にわかるだろ笑」




果穂『私てっきり気づかれてないんだと…』




渡瀬「そんなアホじゃねぇよ」





果穂『あ…ごめん。

てゆーか、全然!本当に気にしてないから!

普通に話してくれて良かった

10年ぐらい経ってるのに気まずいままの方が難しいよね笑笑』





渡瀬「なんか中学半分ぐらい目も合わさなかったし、たまに地元で見かけても話したりしないじゃん。

なんかずっと引っかかってて」




果穂『引っ込みつかなくなってたよね、

私こそ、渡瀬がみんなにされてた事止めることできなくて、ずっとモヤモヤしてたんだよね』




渡瀬「お前が?俺あんなひどい事したのに助けようとか思えたのかよ」




果穂『渡瀬がされてた事は、私が少し噂されて笑い者になったのとは比べ物にならないぐらい見てられなかったよ。


でも、渡瀬私の事嫌いだろうし、私に助けられるのなんか良い迷惑だよなって。

ずっと怖い顔してたし』





渡瀬「…ほんとごめん

まじガキだったわ」




果穂『もーずっと前のことだし、忘れよ。お互い。試験頑張ろうね』





2人の間に微妙な空気が流れて、

少し気まずくなってきた。




果穂『あっあの私そろそろ帰るよ!』






渡瀬はすぐ眉間にシワをよせた。




渡瀬「本当に?ナァ彼氏とか居ないの?

危なくね?最寄りまでついてくるとか」





果穂『彼氏いたらちょっとわ助けてもらえるんだけどねぇ。

わたしの家知ってたりするのかなあ…』




渡瀬「送って行くよ」




果穂「いやいや、もぉ1時すぎてるし大丈夫‼️明日も仕事でしょ!ごめんね!』















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