勇者の青
「キエ……ッ?」
それは、
「な、に……?」
五玉は自身に残された三つの顔で
そして青。五玉は、その視界の中で青い閃光を見た。
五玉と煉凶の持つ人知を越えた感覚器は、その瞬間確かに青い光が視界の中で
だが、そこまでだった。
自身が攻撃された。斬られたと二体の鬼が気付いたのと同時、辺り一帯全てを吹き飛ばすほどの凄まじい突風が巻き起こる。
周囲の木々を大きく揺らし、根元からしならせ、
そして二体の鬼がその風を認識した次の瞬間、凄まじい力を持つ二体の鬼は、二体同時に万を超える肉片へと切り刻まれた。
「―――――ッッッッッ!」
「か、
全てが起こり、終わるまでにかかった時は
嵐のような突風の中、その場からかき消えるようにして姿が見えなくなっていた奏汰が、
しかもなんと奏汰の片腕の中には、五玉の
「はぁ……っ! はぁ……っ! はぁ……っ! こ、これが……! 勇者の青、だっ! めちゃくちゃ速くなるが……め、めちゃくちゃ、疲れる……っ! 連発は無理だ……!」
「勇者の青……? いや、それよりもお主、そんな
その全身からぷすぷすと
「はは……っ! あのデカイ奴が、俺の力が見たいっていうから見せてやったんだ!」
「何を笑っておるっ! 全く、無茶をしおって……! 確かに凄まじい力じゃったが……あれでは……っ」
そう言って弱々しい笑みを浮かべる奏汰に、凪はその可憐な顔を歪め、
「――――ギ、ギギ! いやはや、まっこと、まっこと恐るべき力。確かに見せて頂きましたよ。
「―――見事だ。認めよう、
「っ!?」
その声は上空。ようやく目に見えるかどうかという大きさの小さな粒が、未だざわめく風に乗って巻き上げられ、
それは、たった今奏汰の亜光速の斬撃によって切り刻まれた鬼共の肉片だった。
「こいつら、まだっ!?」
「ちぃ……流石は
完全な
しかし五玉は奏汰から最初に受けた一太刀目と、凪に潰された顔面部分からの邪気の流出が止まらず、煉凶もまた深く
「ギギギ……! これは厄介極まる力。
「構わぬ。この腕は貴様を
不完全ながら、ほぼ
その圧倒的回復力に、奏汰は驚きつつも更なる闘志を燃やして再び聖剣を構える。
「……なるほど、そういう奴か! なら、何度だってぶっ潰す!」
「キキキ。怖い怖い……このような恐るべき
「
すでに相当な高度へと逃れていた二体の鬼は、地上の奏汰と凪に
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