第2話

 (マンション自転車置場)帰宅した瞳が買い物袋をまとめている。ギターのキーホルダーが後ろポケットから覗く。玄関の表札には"石田"


 『ただいまー、あれまだ帰ってない?電気つけっぱなしで!』テキパキ片付けをはじめる。テーブルの上に置いたスマホには、〈メール着信〉のメッセージが。


 (気づかず)エプロンを身につけた瞳は手際良く料理を始める。野菜をトントントンと切る音。鍋がグツグツ煮立つ音。


 (玄関そばで物音)ガチャっ。


「ただいま」友介がドアを開けて入ってくる。


「あっお兄ちゃんおかえりー。ご飯もう少しだから待ってて」


「おぅ、ありがと。このあと出かけるんだろ?」


「うん、ご飯食べてから練習にいくよ。今日はレコード会社の人が見に来るって。今のうちに私のマネージャになっておく!?」

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