第58話 その後
あの後、修は避難していた節子やSP達と合流し、ホテルで過ごした。
その時にはもうアイリスの姿は無かった。
テレビで見て事件を知った海斗や茜が心配して連絡をくれたが、修は心ここにあらずだった。
そして暫くして、アイリスの後を追うように真衣も転校して行った。
「ロボ子さんどうしてるかな?修は連絡とかとってるの?」
昼休みに何気なくそう尋ねる茜に、修の表情は曇った。
「いや…連絡しても帰って来ないんだ」
「何だ、フラれたか?」
海斗の一言に、修は撃沈した。
アイリスが去った後、テルマと話そうとしてもログイン出来なくなっていた。
アイリスとは連絡先に送れはするものの、修が言った通り、全く返事は無かった。
…今どこにいるんだ、アイリス…。
修の弁当を食べる手が止まると、海斗と茜は顔を見合わせながら心配そうに見つめた。
***
その頃、真衣は東京にいた。
「はーい皆!今日も元気に更生プログラムに参加してもらうわよ!」
真衣がそう言って入った施設の広場には、アイリスやインターポールが一生懸命捕まえた黄道十二宮隊がいた。
「すみませーん!裏切り者に仕切られるのは不服なんですがー!」
ピスケスがそう言うと、真衣は睨みつけながら黙らせた。
アリエスとカプリコルヌスはラブラブな様子で我関せずといった様子だったが、他の者は皆かったるそうにしていた。
真衣は何も言わずに黙って外を見ているレオをチラ見すると、少し顔を赤くした。
他のメンバーはカンケル以外、皆その視線に気づき、何かヒソヒソと話そうとしたが、真衣はそれを許さず、教卓に手を打ち音を鳴らして、皆を牽制した。
「オホン!さぁ、今日も張り切って更生してもらうわよ!」
レオ以外の他のメンバーがため息をつくと、真衣の特別プログラムが始まった。
***
学校が終わり校門を出ると、萩原がいつものように車を止めて待っていた。
「坊ちゃま、今日は早いですね!」
「うん、今日は何だか早く帰りたい気分なんだ」
そう言って修が車に乗り込むと、何かビルの上の辺りが光った気がした。
「…まさかな」
何気なく後ろの席に置いてあったタブレットを起動すると、テルマのドローンや猫テルマが近くで、起動している画面になっていた。
「…!?萩原!止めてくれ!」
「坊ちゃま?」
萩原が車を止めると、修は急いでビルに向かった。
「あの辺りは確か、六階辺りか!」
修はビルを外から目視したが、夕日が反射し、中を見るのは困難な時間帯だった。
それでも会いたい一心で駆けて行くと、見覚えのあるカチューシャをした背中が見えた。
「アイリス!」
「…オサ、やはり来ましたか」
修が息を切らしながら入ると、そこには見覚えの無い小さい少女と一緒にいるアイリスの姿があった。
「…その子は?」
「今度の任務の依頼人です…気をつけて!敵が来ます!」
アイリスがそう言うと、部屋に黒ずくめにサングラスの男達が、銃を片手に入って来た。
「失礼!行きますよオサ!」
アイリスは少女を抱えると、修と共に窓まで走り、やって来た軍用ヘリのハシゴに捕まった。
「!?アイリス!これからどこに!?」
「依頼人を家まで送り届けます!オサもつきあってもらいますよ!」
アイリスがそう言って修を見て笑うと、修も何か悟ったように笑った。
「おやまぁ…仲良くなっちゃって」
ジョージがそう言う軍用ヘリの隣に猫テルマの姿もあった。
こうして修は巻き込まれる形で、アイリスと任務に向かった。
完。
ロボ的な彼女 雪兎 @yukito0219
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