この物語は「あおい荘」(高齢者専用住宅)をめぐる人々の、心温まる交流が描かれた作品です。
主人公の直希君や、あおいちゃんをはじめとするスタッフの、利用者さんに対する「少しでもお役に立ちたい、笑って欲しい、幸せになって欲しい」という前向きな姿勢や、時に苦しみ、悩み、ぶつかり合いながら前へ進んでいく姿に、勇気と希望をたくさんいただきました!
ただの介護施設では無く、一つの家族になろうとして、スタッフは入居者さんたちと触れ合いながら、共に成長していきます。
時に危険を孕む『介護の仕事の厳しさ』にも触れられており、その重みや緊張感、葛藤や苦しみなどがリアルに伝わってきます。
優しくて思いやりに溢れた直希君を巡っては、四人の女性が同時に愛の火花を散らすという、怒涛のハーレム展開が用意されています。
それぞれに魅力的な女性全員が『本気』だという事がビシビシ伝わる、無くてはならない名場面もたくさんあります。
直希君がどうしてこれほどまでにモテるのか?という部分にも(一女性読者の目から見ても)大変説得力を感じられて、物語の展開に最後の最後までグイグイと惹きつけられました。
ハーレム的な内容に興味のある方も(性別や年齢問わず)、必見だと思います(*^_^*)
会話文が中心で読みやすい文体で描かれていますが、情景が頭の中でスッと浮かぶのが素晴らしいです。
ひとつの出来事に対する、登場人物の態度や受け止め方が、各年代によって全然違う様子がきちんと表現されている事にとても、感動致しました。
まるで目の前に実在するかのように、一人一人のキャラクターの気持ちの動きが丁寧に生き生きと描かれており、その関係性が常に変化しながら成長していくのです。
あおい荘の中ではきちんと時が流れ、人々が呼吸をし、成長し、衰え、色々と考えながら……しっかりと生きているのだと感じられました。
「いつまでも変わらないものなんて、この世界にはない」
↑ この、ある登場人物の一言に、とても大切なことを思い出させていただきました。
自分の感情の受け止め方について、じっくりと考えるきっかけにもなり、読者もパワーをたくさんもらえます(≧▽≦)!
あおい荘の人々が教えてくれた宝物のような言葉が読了後、じわりと心に染みてきます。
自分に出来る事を自分らしく前向きに、続けていきたいと思わせていただけるこの作品。
どうか、読んでみてくださいね(*^_^*)