第103話 ピロートークで(薔薇。菓子職人×塾講師)
※このあたり(https://kakuyomu.jp/works/16816452220371917465/episodes/16816700426235889522)の二人。この話単体でも読めます
「だいすきですよ」
「トーリーさんって、いつも真っ直ぐに言うよね……」
「ええ、つたわらないとかなしいですから」
「あと、毎日言うし」
「……いつ言えなくなるか、わからないでしょう?」
トーリーさんが、僕の手を握って微笑む。
少しだけ、遠い目をして。
「人間、いつ死ぬかわかりません」
「ま、僕は仕事的にいつ過労死するかって感じだもんね」
「颯太さん」
「……ごめん。不謹慎だった」
手を伸ばして、トーリーさんの頭を抱きかかえた。
「置いていかないよ。置いていかないように、その、気を付けるから」
「おねがいしますね」
トーリーさんの長い腕が、僕を閉じ込める。
「さみしくて、私が死んでしまいます」
「後追いされたら、後味悪いなあ……がんばるよ」
トーリーさんが安心したように笑うから、僕はちょっと切なくなって、彼の額にキスをひとつ落とした。
END.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます